赤ちゃんが眠っている間に突然死をもたらす病気、乳幼児突然死症候群(SIDS)。原則1歳未満の乳幼児に発症するといわれており、特に12月以降の冬の時期、2~6カ月の乳幼児に発症しやすいといわれています。 そこで保育園でのお昼寝中、SIDSから赤ちゃんを守るために大切なのが午睡チェックです。5~10分に1回呼吸などを確認するもので、最近は午睡センサーという便利なアイテムも出てきています。 この記事では、保育園での午睡チェックのポイントについて確認しながら、SIDSを予防するICTシステムの活用方法について解説していきます。
乳幼児の死亡原因4位「乳幼児突然死症候群(SIDS)」
厚生労働省のデータによると、令和元年にSIDSで死亡した乳幼児は78名だといわれています。
過去の死亡者数を見ていくと、538名の平成9年を境に約20年で減少傾向にあることが分かりますが、現在でも乳幼児の死亡原因第4位に挙げられる病気です。
SIDSの予防法についてはまだ確立していませんが、厚生労働省では次の3つのポイントを守ることで発症リスクを抑えられると公表しています。
・1歳になるまであおむけで寝かせる
・できるだけ母乳で育てる
・妊娠中や赤ちゃんのそばで喫煙しない
上記3つのうち、保育園で取り組めるのは「あおむけで寝かせること」です。その他にも、お昼寝のときに注意したいポイントがありますので、次章からくわしく説明していきます。
保育園のお昼寝でSIDSを防ぐ4つのポイント
保育園のお昼寝で、SIDSを防ぐポイントは4つです。すでに対策を講じている保育園も多いと思いますが、赤ちゃんの命を守るために改めて確認していきましょう。
寝つくまではあおむけにする
残念ながらSIDSは、うつぶせとあおむけのどちらでも起こりますが、寝つくまではあおむけにした方が発症する確率が低いことが分かっています。あおむけに寝かせると、睡眠中の窒息事故を防ぐ効果も期待できるので、上向きに寝かせるようにしましょう。
安全な環境で寝かせる
乳幼児を安全な環境で寝かせることは、SIDSと合わせて注意したい窒息事故の予防にもつながります。次の4つを守った環境を整備することが大切です。
・ベッドから転落しないように柵の高さを上げる
・ベッドの周りにすき間を作らない
・敷布団、マット、枕は固めものを選ぶ
・首に巻きつくような障害物を周りに置かない
軽めの衣服を着用させる
欧米では、衣服の着せすぎによる自律神経の乱れがSIDSを引き起こすのでは、と考えられています。軽めの衣服を着用させてから寝かせることもSIDSの予防策の1つです。
寝る前に衣服を着せすぎていないか、掛け布団が重すぎないかを確認しておきましょう。
5~10分に1回チェックする
SIDSは前触れもなく突然起こる症候群ですので、発症リスクの高い0歳児は5分に1回、1~2歳児は10分に1回ほどの周期で午睡チェックをすることをおすすめします。
乳幼児の様子をチェックするときには、次章で紹介する「SIDS予防チェックシート」を参考に確認していくと良いでしょう。
午睡チェックの対象年齢とは?
厚生労働省のガイドラインでは、SIDSの多くが生後2カ月から6カ月に発症しますが、まれに1歳以上でも発症することがあるとされています。そのため、少なくとも1歳までは午睡チェックが必要です。
SIDSの定義は原則1歳未満ですが、1歳以上でも年齢以外の定義を満たす場合はSIDSと診断されます。逆に1歳未満であっても、解剖や死亡状況調査がされない場合の死因は不詳とされ、SIDSと診断されません。
乳幼児が睡眠中に死亡する原因はSIDSだけではなく、窒息事故なども起こる可能性があるので注意が必要です。午睡チェックをすることでSIDSの発症リスクを抑えるだけでなく、窒息事故の予防にもつながるでしょう。
午睡チェックで使いたいSIDS予防チェックシート
午睡チェックには「SIDS予防チェックシート」を作成しておくと役立ちます。園児の健康を守るために、シートには最低でも下記項目を記載しておきましょう。
<入眠時に確認したいこと>
・睡眠時の部屋の温湿度
・健康状態(機嫌、鼻水、目やに、咳などの症状の有無)
・皮膚の状態(湿疹や発疹、傷やアザの有無)
・体位(あおむけ、うつむけ、横向き)
・体温
<5~10分感覚で確認したいこと>
・睡眠時呼吸チェック
・睡眠時呼吸チェックをした時間
・その他健康状態で気になったこと
チェックシートの書き方とは?
チェックシートに決められた様式はありません。「午睡チェック表」や「ブレスチェック表」など呼び方もさまざまで、WEBサイトに公開している自治体もあります。ダウンロードして活用するのがおすすめです。
書き方としては、あらかじめチェック担当者を決め、園児を1人ずつチェックします。まとめてではなく、都度チェックシートに記入するようにしましょう。5分毎に午睡チェックを実施して、顔色や呼吸の様子、体勢などをしっかりと記録に残します。
預けはじめの時期などは、事故が多くリスクが高いとされています。特に注意してチェックすることが大切です。
午睡チェックを効率化するICTシステム
園児の命に直結する午睡チェックは、保育士の責任がより問われる業務の1つです。しかし、近年急増する保育園の中には、乳児保育の経験がある保育士を十分に確保できていないケースも少なくないと耳にします。
こうした問題をサポートするのがICTシステムです。最後に、園児の安全性の向上と保育士の負担軽減へとつながる2つのデジタル技術をご紹介します。
午睡チェックセンサー
午睡チェックセンサーは、オムツに取り付けができる小型のセンサーです。うつぶせ寝を検知するとアラートがなり、PCやタブレットに通知がいくため、保育士が側にいなくても子どもの安全を守れます。
園児の午睡チェックの結果も自動的に記録されるため、保育士の事務作業時間を大幅に削減できるのも嬉しいポイントです。
保育士の声から生まれた午睡チェックセンサー「 CCS SENSOR(シー シー エス センサー)」は無料トライアルキャンペーンも行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
保育業務支援システム
午睡チェックセンサーとも連携できる「保育業務支援システム」は、シフト作成や出退勤管理、登園降園管理、保育日誌作成など保育園の運営に必要な機能がつまったシステムです。
午睡時などでも記録が取りやすく、タッチひとつで簡単に操作できるので、保育士の事務作業の負担低減につながります。
CHaiLDの保育業務運営システム「CCS PRO」は、グループ会社が運営する保育関連施設から現場の声を集めて生まれました。120種類以上の充実した機能があり、短縮できる事務作業の時間は月218時間。年間で約370万円相当の人件費削減につながります。
まとめ
乳幼児が眠っている間に突然死亡してしまう乳幼児突然死症候群(SIDS)。保育園でSIDSによる不慮の事故を防ぐためにも、午睡チェックは欠かせません。
赤ちゃんのお昼寝中はあおむけに寝かせ、ベッドの隙間をなくすなど安全な環境を整備することはもちろん、SIDS予防チェックシートを用いて園児の健康を記録することが大切です。
しかし多忙な保育士にとって、5~10分に1回午睡チェックを行うのはとても大変です。この機会に、午睡チェックセンサーや保育業務支援システムの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。