保育園ではさまざまな行事を行いますが、その中でも入園式は新しい子ども達をお迎えする重要な行事と言えるでしょう。そのため、準備しなければならないことはたくさんあり、保育士同士で分担し、協力をしながら行うことが大切です。

 

今回は、入園式がより良い式となるよう事前に準備しておきたいことや、当日の流れをご紹介し、あわせて当日発生しそうなトラブルの例とその対処法についてもまとめました。

入園式のねらいは?

保育園では季節に合わせたさまざまな行事が用意されています。その行事の中には子ども達と保育士のみで行うものもあれば、保護者にも参加してもらい子ども達の成長を感じてもらえるような行事もあります。

 

そして、そんな行事の中で年度の最初に行われるのが入園式です。入園式のねらいは子どもの成長のお祝いです。またその他には、保育園の雰囲気を子どもや保護者に感じてもらい、保育園での生活へ期待を高めるというねらいもあります。

入園式の開催の有無や時期について

入園式は、小学校や中学校の入学式のようにどの園でも必ず行われている訳ではありません。保育園の場合、入園する時期は子どもによって異なります。そのため、入園式は行っていないという保育園も多数あります。

 

また、開催する時期についても園によって異なるでしょう。しかし、一般的には桜がきれいな4月中に行われることが多いです。

 

保育園に子どもを預ける保護者の多くは仕事を行っています。そのため、入園式は土日などに行われるケースが多いとも言われています。

入園式当日までのスケジュール例

入園式は、保育園が新しい子ども達をお迎えする大切なイベントの1つです。そのため、保育士は準備をしなければならないことが山のようにあります。しかし、保育士の仕事は日々多忙です。準備はなるべく早い段階、年が明けた1月くらいから行うと良いでしょう。

 

まず、年が明けたら最初に入園式の日程を決めます。その後、保育士の役割分担などについて話し合いましょう。

 

また、入園式が近づいてきたら、会場や新入生の部屋の装飾も行わなければなりません。その他にも新入園児を迎える準備として、下駄箱やロッカーの作成、当日保護者に渡すお便りの準備なども行います。

 

この他にもやるべきことはたくさんあります。そのため、やらなければならないことをリストアップして保育士同士で分担をし、少しずつ当日に向けて準備を行う必要があります。

  • 入園式の日程の決定
  • 保育士の当日の役割分担
  • 演出担当と内容の決定
  • 会場やクラスの装飾
  • 新入生お迎えの準備
  • 当日配布のお便りの作成

入園式当日の流れは?

 

入園式の当時の流れはどのように組み立てたら良いのかと疑問に思う保育士もいるでしょう。当日の流れを作成する際は、前年のスケジュールを見本に作成すると良いです。

 

一般的には、入場は新入園児そして保育士の準備で行います。そして、式がスタートした後は園長の挨拶や職員の紹介へと続いていきます。

 

また、保育園への新入園児は年齢が低い子どもが多いです。そのため、入園式自体は20分から30分程度におさまるようプログラムを作ると良いでしょう。その他にも、子どもが飽きないように適所に演出やお歌などを加えてみるのもおすすめです。

 

入園式が退屈なものになってしまうと、子ども達は保育園は楽しくないところと感じてしまう可能性があります。そのため、入園式は楽しい雰囲気でかつ短時間で終わるスケジュールを考えるようにしましょう。

  • 子ども達、そして保育士の入場
  • 開式の言葉
  • 園長のご挨拶
  • 演出①
  • 保育士の紹介
  • 演出②
  • 閉式の言葉

入園式の出し物のアイデア例

 

手遊び

入園式で誰もが知っているような簡単な手遊びをいれるのも良いです。たとえば、「むすんでひらいて」や「グーチョキパー」などが良いでしょう。手遊びを行う際は、子ども達と目線を合わせて笑顔で行うと、子ども達の緊張もほぐれるでしょう。

絵本の読みかせ

絵本の読み聞かせを行うならば、絵本は親しみやすく明るい内容のものを選びましょう。皆が知っている人気の絵本でも良いです。また、同じフレーズが何度もでてくる絵本ならば、保育士皆で声を合わせてそのフレーズを読むなどすると場も盛り上がります。

在園児からの制作物のプレゼント

在園児も入園式に参加する場合は事前にメダルなどの制作物を用意しておき、それをプレゼントするのもおすすめです。

 

入園式に参加している保護者にとって、在園児のお兄さん・お姉さんは輝いて見えます。そのため、在園児の様子を見ることで、保護者のわが子の成長に期待が高まる可能性もあるでしょう。

在園児からの歌のプレゼント

制作物ではなく在園児からの歌のプレゼントも良い演出の1つです。子どもの歌声は入園式の雰囲気をさらに明るくできます。また、その歌声の完成度の高さなどによっては、保護者の保育園への期待も高まるでしょう。

ダンス

入園式の最初や最後に、保育士によるダンスを披露して入園式を華やかにするのも良いです。歌だけでは退屈してしまう子ども達でも、ダンスが加わると喜んでくれる可能性があります。

 

しかし、ダンスは練習時間も必要となるので、保育士の日々の仕事の負担にならないよう気を付けるようにしましょう。

入園式の装飾アイデア例

仕切りスペースを装飾する

多くの子ども達にとって初めての入園式です。そのため、泣いてしまったり騒いでしまったりする子どももいます。そのような子ども達のために、仕切りスペースは用意しておきましょう。

 

また、仕切りスペースを会場内に作る際は、そのスペースもかわいらしく装飾するのもおすすめです。

天井を低くめに装飾する

小さな子ども達にとって、高い天井は不安を煽る可能性があります。そのため、天井が低く見えるように布やお花などの飾りを使い、装飾すると良いです。初めての入園式で不安や退屈さを感じさせないよう、装飾も念入りに行うようにしましょう。

フォトスポットを装飾する

入園式では写真をたくさん撮る保護者も多いでしょう。また、中には家族で撮影したいという方もいます。そのような方のためにも、当日フォトスポットの用意と装飾はしておくと良いでしょう。

 

フォトスポットの装飾には、その日の日付や入園式であるということが分かるようなものを置くのも良い案と言えます。

入園式を盛り上げるためのポイント

保護者に積極的に参加してもらう

入園式に立派に参加するわが子の様子をビデオやカメラにおさめたいと、意気込む保護者もたくさんいます。しかし、撮影ばかりに集中するのではなく、式にも積極的に参加してもらえるよう伝えると良いです。

 

たとえば、新入園児の入退場では盛大に拍手をしてほしいなどは事前にお願いしておきましょう。また、トラブルの際の対応についても事前に伝えておくと、保護者は安心して式に参加できるでしょう。

保護者の不安を軽減する

入園式には、保護者の不安を軽減するというねらいもあります。保護者の中には初めてわが子を保育園に預けるという方もいるでしょう。そして、そのような保護者の心の中は不安でいっぱいの可能性もあります。

 

そのため、入園式では保育園は保護者の育児のサポートもするという内容も伝えると良いです。何かあったらいつでも相談してくださいと言われると、保護者の不安も少しは解消するでしょう。

保護者や新入園児へメッセージを送る

入園式でお祝いの言葉を伝える際は、保護者そして新入園児それぞれにメッセージを送ると良いです。

 

たとえば、新入園児である子ども達には、明日から楽しく毎日を過ごしましょうという内容が良いです。保護者に向けては、子ども達の成長を一生懸命サポートすることなどを伝えるようにしましょう。

入園式のトラブル例と対処法は?

新入園児が騒ぎだしてしまった場合

新入園児が騒ぎだしてしまった際は、保護者と相談の上で別室に移動してもらうなどして対応しましょう。その際には、保護者にも一緒に来てもらうと良いでしょう。そのため、入園式が始まる前に、子どもが騒ぎだした際の対処法を事前に保護者に伝えておくようにしましょう。

体調が悪い子がでてしまった場合

体調が悪い子どもが出てしまった場合は、すぐに保護者に知らせましょう。また、昨今のコロナ禍では感染症に対して敏感になっている保護者もいます。そのため、可能ならば別室で待機をしてもらい、様子を見てその後、参加するか早退してもらうかを検討しましょう。

トイレに行きたい子がでてしまった場合

式の途中にトイレに行きたくなる場合もあります。そのような時のために、事前にトイレ誘導担当の保育士を用意しておくと良いです。

また、保育園の入園式の場合は大半がまだオムツの子ども達の場合があります。そのため、オムツを替えられる別室も用意しておくようにしましょう。

母乳やミルクが欲しくて泣きだしてしまった場合

保育園の入園式には、まだ母乳やミルクを飲んでいる0歳児が新入園児の場合もあります。そのため、お腹が空いて泣き出してしまう場合もあるでしょう。そのような時のために、入園式でも授乳室やミルクの用意は忘れず準備するようにしましょう

自分の子が見えない場合

席の関係上や前の人の配慮のなさで、自分の子どもが全く見えないというケースもあるでしょう。そのようなことが発生すると、後でクレームになってしまう可能性もあります。

そのため、立見席などを用意しておくのも良いです。また、撮影を行いたい人は後ろの立見席から行うことをお願いするのも良い案でしょう。

まとめ

入園式は、子ども達にとっても保護者にとっても新しい生活がスタートする門出の日です。また、保育園側にとっても新しい子ども達をお迎えする大切な1日でもあります。

 

しかし一方で、多忙な保育士にとって入園式の準備に頭を抱える方も多いでしょう。そのため、入園式の準備はなるべく早い時期から少しずつ、保育士同士で協力して行うと良いでしょう。

 

まずはこの記事を参考に、やらなければならないことのリストアップから始めてみてはいかがでしょうか。