保育園の秋のイベントの1つにハロウィンがあります。ハロウィンイベントを成功させるためには、ハロウィンの由来や保育園でハロウィンをするねらいなどについて理解しておく必要があります。

 

今回は、ハロウィンを成功させるために保育士さんが知っておいた方いい情報を紹介します。あわせてハロウィンを盛り上げるための事前準備や出し物・ゲームを紹介します。

ハロウィンの由来とは

ハロウィンの起源は、古代ケルト人が行っていた「サフィン祭」という収穫祭にあるとされています。

 

収穫祭がある日はお盆と同じように、あの世とこの世の境目がなくなり、死者の霊が親族を訪れると信じられていたとされています。しかし、死者の霊と共に悪霊や魔女がやってきて、農作物を荒らしたり、人間の魂を取ったりするとされていました。

 

そのため古代ケルト人は魔物の仮装をして、収穫物や自らの魂を取られないようにしていました。現代のハロウィンのイベントで仮装をするのは、古代ケルト人が身を守るために行っていたことが継承されたということになります。

 

また、ハロウィンの日にお菓子を配りますが、この風習はヨーロッパからきているといわれています。

 

死者の日にキリスト教信者が人々の家を周り、死者の霊魂を鎮めていました。人々は魂を鎮めてもらったお礼にケーキを出していましたが、ケーキを出さなかった家では霊魂が災いを起こすとされていました。

 

「お菓子をあげるから悪霊たちはいたずらをしないで、帰ってください」とお願いする目的で出来上がったのが、お菓子を配る習慣になったと言われています。

保育園でのハロウィンのねらいとは

ハロウィンの由来を解説しましたが、保育園でハロウィンイベントを行うのはどのような目的があるのでしょうか。

 

以下では、ハロウィンイベントを行うねらいを説明します。ハロウィンを経て、子どもたちがなにを得られるのかを確認しましょう。

仮装で表現力を養う

仮装は、子どもたちがアイデアを出し合って完成させます。子どもたちが主体的に考えられるため、創造力や表現力を養えるでしょう。

 

また、子どもたちが思い通りに考えを制作物に反映できるように、様々な材料を用意しておくのがおすすめです。

 

さらに、ハロウィンにちなんだ絵を子どもたちに書かせて飾るのも、表現力を養う方法でしょう。

季節の行事や遊びに関心を持ってもらう

ハロウィンは秋の季節行事として、日本に定着しています。季節の行事に関心を持つことで、子どもの心は豊かになるでしょう。

 

また、冒頭で、ハロウィンの起源は秋の収穫祭が起源だということを説明しました。現在も秋は食べ物が豊富に収穫できる季節であるため、ハロウィンの由来もあわせて知ることで、食材の恵みを学べます。

海外の文化に興味を持ってもらう

ハロウィンは海外が起源であり、日本にも定着した行事です。ハロウィンの由来や歴史に触れることで、海外の文化に関心を持つでしょう。

 

海外の文化に関心を持ってもらうためには、子どもにわかりやすくハロウィンについて伝える必要があります。伝える方法としては、絵本や紙芝居などがおすすめです。

ハロウィンに向けた事前準備と導入方法

スケジュール

事前準備

 

ハロウィンイベントを開催するにあたり、どのような準備を行えば良いのでしょうか。以下では、ハロウィンに向けた事前準備について紹介します。

保育園内の装飾

園内の装飾は、10月初め頃から行うのがおすすめです。子どもたちは当日を迎えるまでにハロウィンの雰囲気を感じられるため、準備期間から楽しめるでしょう。

 

装飾の種類には、子どもたちが描いた絵やおばけの切り絵、かぼちゃランタンなどがあります。本物のかぼちゃを使うのが難しくても、画用紙での作成が可能です。

 

0~3歳までは子どもが貼り付け作業を担当し、4歳以上であれば先生と一緒にハサミを使って、主体的に装飾を作ってみると良いでしょう。

衣装作り

衣装は、魔女や黒猫、おばけなどテーマを決めて作成します。

 

魔女は黒い画用紙とポリ袋、リボン、ゴムひもなどがあれば作成可能です。黒い帽子と黒いマントで、魔女としての仮装が出来上がります。

 

黒猫に変身するためには耳としっぽが必要です。魔女と同様に黒い画用紙とポリ袋、さらに綿や輪ゴムを用意します。

 

おばけの仮装では、白と黒の画用紙と白いポリ袋などを用意しましょう。ハロウィンは黒い仮装が多いため、白いおばけの仮装にすると一際目立つでしょう。

お菓子の用意

ハロウィンと言えば「トリック・オア・トリート」と言って、子どもがお菓子をもらうのが定番です。保育園でのハロウィンイベントでもお菓子を用意して、子どもたちに楽しんでもらいましょう。

 

なぜお菓子をもらえるのかを伝えてあげると、ハロウィンの文化を知ってもらえる良いきっかけになります。

 

お菓子の種類は、衛生面の観点から見て、個包装のお菓子が最適です。また、子どもたちにアレルギーがあるか確認してから、お菓子を用意しましょう。

子どもへの導入方法

子どもたちが海外の文化に関心を持つようになるためには、ハロウィンについてわかりやすく説明する必要があります。

 

以下では、ハロウィンの詳細を子どもたちへ伝えるための方法を、3種類紹介します。

絵本の読み聞かせ

ハロウィンを題材にした絵本は数多くあります。ハロウィンの由来を説明しているものから魔女が主人公のものまで、様々です。

 

ハロウィンではおばけの仮装をしたり部屋を暗くして火を灯したりするため、怖いイメージを持っている子どももいますが、そのようなときにハロウィンに関する絵本を取り入れれば、楽しみながらハロウィンについて理解できるでしょう。

ハロウィンについてわかりやすく言い換えて説明する

ハロウィンについてわかりやすい言葉で説明する際には、おばけやまねっこ、ごっこ遊びという言葉を使うのが効果的です。例えば、死者の世界をおばけの世界と呼び、変装することをまねっこすると言い換えてみましょう。

 

上記を例に伝えると、「おばけのまねっこをしてお菓子をもらえるお祭りのこと」と説明してあげると、楽しいお祭りという認識が出来上がり、ワクワクしてくれるでしょう。

 

「トリック・オア・トリート」という言葉も一緒に伝えてあげると、お菓子をもらう際の合言葉としてイベントを楽しめます。

 

仮装する理由を聞かれたら、「死んじゃった人たちと一緒に怖いおばけもついてきちゃうの。でもおばけのまねっこをすれば、怖いおばけたちをやっつけられるんだよ。」と伝えます。悪者を倒せるという意味合いでも、子どもたちは喜んで仮装してくれるでしょう。

 

おばけの話をするときは、「怖いおばけにお友だちもみんないたずらされてしまう」と伝えれば、仲間意識や集団意識も芽生えるきっかけにできるでしょう。

クイズゲームを通して伝える

クイズなら、楽しみながらハロウィンについて学ぶのもおすすめです。○×問題にすれば、挙手制で参加できるため、引っ込み思案な子どもでも参加しやすいでしょう。

 

また、時間を確保してクイズするだけでなく、保育園の壁にクイズを掲示しておけば、子どもたち同士で考えられます。紙をめくると答えが見える仕組みにするのもおすすめです。

 

クイズの例としては以下のものが挙げられます。

 

・ハロウィンの日にお菓子をもらえる魔法の言葉は?
→トリック・オア・トリート
・ハロウィンのときにおばけや魔女のまねっこをするのは誰をやっつけるため?
→いたずらをする怖いおばけ
・ハロウィンの日におうちにかざる野菜はかぼちゃである。〇か×か?
→〇

ハロウィンの制作物

 

これまでイベントに向けた事前準備について説明しました。

 

ではハロウィンイベントの当日に使うものは、どのようなものを作れば良いのでしょうか。以下では、ハロウィンを楽しむための制作物を紹介します。

お菓子バッグ

お菓子バックを作るには、はさみが必要になるため年長クラス向きです。先生が画用紙に切る線を書いておけば、簡単に作れるでしょう。

 

必要な材料は以下の通りです。

 

・オレンジ色と黒色の画用紙
・紙コップ
・セロハンテープ
・ホッチキス
・はさみ

 

紙コップの上部と下部の周りにオレンジ色の画用紙を丸く張り付けて、かぼちゃに見立てます。持ち手を付ければ、バッグの完成です。

かぼちゃのモビール飾り

モビールとは、天井から糸で吊り下げて、くるくる揺れる装飾のことです。立体的なので、空間が一気に華やかになります。

 

モビールの材料は以下の通りです。

 

・オレンジ色、黄色、黒色などの画用紙
・モール
・糸
・セロハンテープ
・両面テープ

 

画用紙をじゃばら折りにして、中央で2つに折ったものを2つ用意します。2つを両面テープでくっつけると、円状になります。そこに黒い画用紙で顔を装飾して、かぼちゃやおばけを表現すれば、完成です。

折り紙で作るかぼちゃの置物

折り紙だけでかぼちゃの置物を作れます。はさみを使わないので、安全かつ簡単です。一般的な折り紙の大きさだと、少し細かい作業になってしまうため、大きめの画用紙で大きいかぼちゃを作るのも良いでしょう。

 

かぼちゃを作る際のポイントは、折り目をしっかりと付けながら折っていくことです。先生が補助しながら綺麗に折っていきます。

 

かぼちゃに顔を書く際には、かぼちゃが潰れないように気をつけましょう。

おばけの灯ろう

暗闇の中でゆらゆらとうごくおばけを、灯ろうで表現できます。用意するものは以下の通りです。

 

・ペットボトル
・ライト
・ハサミ
・セロハンテープ
・割り箸
・タコ糸
・トレーシングペーパー
・アイロン

 

ペットボトルを3分の1程度の長さにカットし、切った部分をアイロンで丸くします。トレーシングペーパーにおばけの顔を書いて、ペットボトルの周りに張り付けましょう。糸をペットボトルに通して、割り箸を付けたら完成です。

簡単仮装

当日の子どもたちの仮装はどのようなものがあるのでしょうか。以下では、仮装の種類と必要な材料などを紹介します。

画用紙や袋で作る魔女の帽子とマント

魔女の帽子を作る際の材料は以下の通りです。

 

・黒色の画用紙
・シール、クレヨンなど
・ゴム紐

 

まず画用紙で円すいを作り、下の部分につばを貼るためののりしろになる切り込みを入れます。つばは、画用紙を丸く切り、円すいの直径に合わせて真ん中を切り抜くと簡単です。2つのパーツを合体させて、あごの部分に引っかけるゴム紐を適切な長さにして付ければ完成です。

 

マントに必要な材料は以下の通りです。

 

・黒いポリ袋
・リボン
・シールなど

 

ポリ袋の輪になっているところを切ります。そして、リボンを入れて襟の部分になるように、ポリ袋の長い方の辺を折り曲げ、テープで止めましょう。ポリ袋にシール等で装飾し、リボンを通せば完成です。

かぼちゃのお面

かぼちゃのお面を作る際の材料は、以下の通りです。

 

・紙皿
・オレンジ色や茶色の画用紙
・はさみ
・のり

 

まず紙皿をかぼちゃの形にカットし、目と口を切り抜きます。そして、紙皿に手でちぎった画用紙を自由に張り付けていきましょう。紙皿を切る作業を子どもができなくても、画用紙をちぎったり貼ったりする作業はできるでしょう。

 

子どもたちの個性を表せる仮装です。完成したものを、みんなで見せ合いっこするのもおすすめです。

バンダナで作るマント

マントは、バンダナを使っても作れます。ただし、ポリ袋を使ったマントと違い、セロハンテープで止められないので、ミシンで縫う必要があります。保育士や保護者が作ってあげるようにしましょう。

 

必要な材料は以下の通りです。

 

・バンダナ
・リボン
・アイロン

 

まず、リボンを通す部分を折り返し、アイロンやまち針で固定します。そして、折り返した部分をミシンで縫います。リボンを通したら完成です。

 

ポリ袋で作るマントと異なり丈夫なため、来年のイベントでも使える衣装が出来上がります。

おすすめの出し物・ゲーム

ハロウィンイベントを行うための装飾や制作物、仮装について説明しました。次はイベントで行う出し物やゲームについて紹介します。

 

子どもたちが楽しめるイベントにするために、しっかりと計画を立てましょう。以下ではおすすめのゲームや出し物を紹介していきます。

お菓子探し

宝探しのように、園内にお菓子を隠してみんなで探索すると、盛り上がるでしょう。お菓子を探すときには制作物として作ったお菓子バッグを持ちながら探すと、さらに楽しめます。

 

お菓子探しをする際には制限時間を設定し、指定したお菓子数を見つけられた子から先生のもとに戻ってくるルールにするのがおすすめです。獲得できるお菓子の上限を決めておけば、獲得できる数が偏るのを防げます。

画用紙を使ったかぼちゃの福笑い

本来はお正月に行う福笑いを、ハロウィンバージョンにアレンジするのもおすすめです。事前準備としては、オレンジ色と黒色の画用紙を準備しましょう。

 

まずオレンジ色の画用紙をかぼちゃの形にカットし、黒色の画用紙で顔のパーツを作成します。ゲームの準備はこれで完了です。

 

3、4人のグループになれば、協力し合いながら正しい場所に顔のパーツを置くように協力できます。チームワークの大切さに気付けるきっかけになるでしょう。

ハロウィンにちなんだスタンプラリー

スタンプラリーでは、スタンプとスタンプを押す台紙を用意します。台紙はハロウィン仕様に、おばけやかぼちゃの形にデザインしてあげるとより楽しめるでしょう。

 

また、スタンプラリーは、複数のゲームと組み合わせて行うのが一般的です。輪投げやクイズなどのゲームを行い、ゲームにクリアしたらスタンプを押してもらえるようにすると、子どもたちは一生懸命になって楽しんでくれるでしょう。

 

よりスタンプラリーを楽しめるようにするには、スタンプラリーのコースを提示したり、景品を用意したりするのがおすすめです。

保育園でのハロウィンに向けた指導案の文例

 

以下では、ハロウィンに向けた指導案の書き方について説明していきます。文例を挙げているので、ぜひ参考にしてみてください。

活動内容の文例

まずは、保育園でのハロウィンパーティーをどのように楽しむのか、活動内容を検討しましょう。仮装しながら楽しめるような例文を以下にまとめているので、参考にしてみてください。

 

1つ目はゲームパーティーです。ゲームの種類は、仮装の中身の人を当てるゲームや、かぼちゃの福笑い、グループで1人代表者を決めて、包帯を代表者に巻いていき、ミイラを作るゲームなどがあります。

 

2つ目はお菓子パーティーです。子どもたちは仮装し、「トリック・オア・トリート!」の言葉とともにお菓子をもらいます。

 

お菓子パーティーでは、当日のお菓子パーティーに加えて、仮装を制作する準備段階でもハロウィンを味わえます。

ねらいの文例

ハロウィンイベントを行うねらいとして、以下が挙げられます。

 

・仮装や装飾を通して表現力を養う
・ハロウィンの由来や歴史に触れることで、海外の文化に関心を持つ
・季節の行事に関心を抱く
・友だち同士でゲームをすることでチームワークの大切さに気付くことと、コミュニケーション力を高めること

 

上記のねらいを踏まえて、子どもたちが楽しめるイベントにできると良いでしょう。ハロウィンの由来については、絵本や紙芝居を活用したり、わかりやすい言葉に言い換えたりして説明すると、理解してくれる可能性があります。

 

先生がハロウィンに興味を持ち、子どもたちと同じ温度感で楽しめると良いです。

環境構成の文例

ハロウィンイベントに向けた子どもたちとの準備に取り掛かる前に、先生たちが行うべき内容は以下のものが挙げられます。

 

・仮装や装飾に必要な素材や材料を用意する
・装飾を作る上で先生が補助として作業する工程を済ませる
・準備の際にのりやクレヨンで手が汚れる可能性があるため、手拭きシートを準備する
・ゲームに必要な道具を揃える
・スタンプラリーのコースを考えたり、台紙を制作したりする
・お菓子めぐりを保育園外でやる場合は、協力できる店にアポイントメントを取る

 

装飾を子どもたちと一緒に作る場合は、下準備が万全でないと手こずってしまい時間がかかってしまいます。またお菓子めぐりで協力してくれる店を探すのは時間がかかるため、早い段階から取り掛かりましょう。

予想される子どもの姿の文例

ハロウィンイベントに向けた準備やイベント当日に、子どもがどのような行動をすると考えられるのか、予想しながら記入しましょう。例えば、以下のことが挙げられます。

 

・仮装や装飾を通して自分で表現することを楽しむ
・友だちと話し合いながら、準備をしたりゲームに参加したりする
・ゲームに勝つことを意識する
・当日は保護者同伴のため、普段の保育園での姿とは違う表情を見せる

 

保育園での普段の様子を観察しておくことで、ハロウィンに関する活動で現れる姿を想像しやすくなるでしょう。

 

また、ハロウィンイベントを保護者同伴で行う場合は、保護者と一緒にいる子どもの姿を記しておくことも重要です。

保育士の配慮事項の文例

ハロウィンに関する活動の中で予想される子どもたちの姿を明確にした後は、子どもたちの言動に対する配慮事項を記しましょう。

 

・勝ち負けだけでなくゲームを楽しむことができるように進行する
・ゲームで結果が出なかったグループや子どもに声をかける
・保護者が戸惑っている様子であれば、積極的に声をかける
・子どもがやりたいことを尊重する

 

ゲームを行うため、結果が出る子どもと出ない子どもが出てしまいます。その際に、頑張ったこと自体を褒めたり、楽しむことを教えてあげられたりすると良いでしょう。

 

仮装や装飾などの準備段階では、子どもがやりたいことを尊重し、手助けなしでできた部分を褒めてあげましょう。

まとめ

今回は保育園でのハロウィンイベントについて説明しました。

 

ハロウィンを行うねらいや事前準備に必要なこと、仮装の作り方、おすすめのゲームなどを把握できたのではないでしょうか。

 

ハロウィンは季節の行事や海外の文化に興味を持ったり、仮装を作成する上で表現力を養ったりと、イベントを楽しむだけではない行事です。

 

子どもたちにとって有意義なイベントになるように、イベント内容の構成や準備を行いましょう。