午睡中のヒューマンエラーはどんなときに起きるのか?

午睡の危険とは何か?

保育中、午睡時に園児が死亡する事故はあってはならないことですが、残念ながら事故は起こっています。窒息などの事故の他に、SIDS(乳幼児突然死症候群)という前ぶれもなく突然死に至る病気があり、平成29年(2017年)には77名もの園児が亡くなっています。(*1)

このSIDSの予防として保育園ではあおむけに寝かせることと、睡眠中の子どもの呼吸の記録(午睡チェック)を行うよう指導されています。0歳児では5分おき、1歳児では10分おきに確認して記録することが推奨されています。

(*1) 厚生労働省ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/sids.html

0歳児の午睡チェックの大変さ

0歳児の保育には、原則、子ども3人に対して保育者1人と決められています。

0歳児は多相性睡眠で、睡眠のペースも様々です。登園してすぐに寝て、昼寝て、夕方にまた寝るということも多々あり、保育者は園児のペースに合わせて、午睡チェックを行っていきます。

この子は寝ているけど、この子は遊んでいる。もしかしたら泣いたりするかもしれない。そうなった場合、人間、どうしても泣いたり、動いたりしているほうに意識がいってしまうため、ちょっとした死角が生まれてしまいます。この死角が発生することがヒューマンエラーに繋がります。

また、午睡といっておとなしく寝ているだけではないですね。排便の処理なども都度あり、ときには嘔吐など、予測がつきません。常に気を配って保育にあたらなければならず、責任の重い仕事であることを改めて感じます。

保育経験の浅い保育者の焦りと不安

また、保育業界は常に人手不足な状況です。たとえ人数が足りていても、乳児保育の経験がある保育者ばかりとは限りません。

特にキャリアの浅い保育者の場合、学校で知識は習得していても、いざ現場となると経験がない分不安は大きいと思います。複数の乳児が同時に泣き出した時、寝ている園児が起きないよう慌てて抱き上げてあやす、というように、特に焦っているときには、ヒューマンエラーが出やすくなります。

そういった経験の浅い保育者の緊張や不安を和らげることはできないでしょうか。

午睡チェックセンサーの役割

午睡チェックセンサーとは何か?

ここで紹介したいのが「午睡チェックセンサー CCS SENSOR」です。

午睡チェックセンサーのCCS SENSORは、午睡中のオムツに午睡チェックセンサーを取り付け、園児の身体の傾き(右向き、左向き、仰向けなど)を自動記録し、うつぶせ寝になった場合、アラートを出して、保育者に知らせてくれるIT機器です。CCS SENSORは医療機器認定されており、誤飲しないサイズの設計です。うつぶせ寝を返した場合の記録も残すことが可能です。

身体の向きを手書きで記録する作業を省力化し、さらにうつぶせ寝をアラートで知らせてくれるので、特に午睡時間の長い0歳の午睡チェックの負担を軽減してくれます。センサーが正しく装着できている限り、午睡チェックセンサーが機械的に記録してくれるほうが正確でミスが少ないのです。

保育者と午睡チェックセンサーのダブルチェックで子どもを見守る

子どもの状況を広く把握するということは、保育士ならではの専門性のひとつです。中でも安全を守る配慮は重要なもの。午睡時でも、「この子はいつもうつぶせになるクセがあるから気を付けたほうがいいな」「この子は朝、少し機嫌が悪かったな」など、保育士はあらゆる情報を総合的に関連させて、その場の状況を判断する専門性を持っている自然と気を配っているものです。

午睡チェックセンサーは便利なものですが、忘れてはいけないのが、あくまでも保育者の代用ではなく補完だということ。午睡チェックセンサーだけで午睡チェックができるわけではないのです。

しかし、どんなに専門性のある保育者でも前述したように、泣き出している子どもに目を向けているちょっとした死角が発生してしまうことがあるのです。この死角は事故やヒヤリとして実感すること少ないかもしれません。

機器の性能+専門性を持った人がダブルで見守ることで、ヒューマンエラーを防ぎ、より安全な午睡チェックが実現できるのではないでしょうか。午睡チェックセンサーはいわば、保育者のためのセーフティーネットとしての役割を果たします。

安全な午睡を確保するために

労働災害でよく言われる有名な経験則として“ハインリッヒの法則”、1つの重大事故の背後には29の軽微な事故がある、としたものですが、安全のためには、小さな“ヒヤリハット”にきちんと対応するのが、保育の現場でも忘れてはならない考え方だと思います。

ぜひ、午睡中のヒヤリハットについて、議論したり、理解を深め、午睡チェックセンサーとのダブルの見守りについて考えていただければと思います。株式会社CHaiLDでは、実機をお持ちしての説明も行っていますので、ご興味があれば、お問い合わせからご相談いただければと思います。

参考:
保育所保育指針解説 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/1_24.pdf
厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/sids.html