家庭で過ごす園児のために動画を配信
あい・あい保育園のなかには、家庭で過ごす園児のために、先生方が相談して、子どもの成長と発達に合わせた動画を配信した園もありました。
コンテンツとしては、正しい手の洗い方や、家にあるもので完成する手作りおもちゃの作り方、人気アニメのエンディングダンスの振り付けなどです。
人とのふれあいが制限され、思いっきり外遊びができなかった園児たちも、よく知っている担任の先生が、丁寧に手を洗ったり、おもちゃを作ったり、真剣にアニメのダンスを踊ったりする様子を、楽しく見ていたようです。
また、家庭で過ごしていても、保育園で過ごしている日と同じような生活リズムをキープするため、朝の会をオンラインで配信していました。
ドライブスルー方式で栄養たっぷりの給食を配布
ある園では、栄養バランスが整った給食弁当を、ドライブスルー形式で園児の保護者に配布しました。さらに、園児だけでなく、仕事をしながら子どものケアを担う保護者のために、大人用の給食弁当も同時に配布しました。そして、手指の消毒を徹底しながら、保護者の車に同乗してきてくれた園児の健康観察も行いました。
園児の保護者としては、在宅勤務であったとしても、仕事をしながら子どもの昼食の用意をするのはとても大変なので、この取り組みはとても好評でした。保護者の方からは、「給食、とてもおいしかったです!□□は一生懸命、お野菜も残さないで食べていました」というメールが届きました。
保育園からしても、給食配布時に保護者と接点が持てますから、ちょっとした変化に気づくきっかけになります。
連絡帳アプリを使って、家庭とコミニュケーションを
さらに、連絡帳アプリを使って、いつでも家庭とコミュニケーションが取れる状態にしていました。実際に、登園自粛期間中に、「子どもたちの様子で気になることがあったり、子育てに関する悩みなどがあれば、いつでもメールを送ってくださいね。担任や園長が返信します。」と一斉メールを送ったところ、たくさんの保護者から連絡がありました。
連絡帳アプリのメッセージのやり取りを重ねることで、登園自粛期間中も積極的にコミュニケーションをとることができます。
工夫を重ねたのは保育士の先生だけではありません。
調理員の先生の中で、「食育支援として、子ども達に特に人気が高かった給食メニューのレシピを提供したい」という案が出たため、乳児食・幼児食のレシピをアプリ上で配布した園もありました。
コロナ禍でも、家庭を孤立させない工夫を
これらの取り組みは、保育ICTの活用の一例です。
保育ICTは、園児が保育園に登園できない状況であっても、「保育園は、園児や保護者にとって、もうひとつのおうちであり続けたい」という想いを形にするためのひとつの手段です。
「家庭で過ごす園児のために、できることをしてあげたい!」という先生方の想いは、きっとどの園も同じだと思います。
これを書いている2021年9月現在、コロナ禍は終息の目途が立っているとは言い難い状況です。子どもに対するワクチン接種の目途も立っていません。
保育園の、家庭で過ごす園児との関わり方の一例として、参考になれば幸いです。
参考
あい・あい保育園 西白井園 ドライブスルー給食で園児と笑顔の1分間交流 -株式会社global bridge HOLDINGS