保育園の誕生日会は、子どもの成長を園全体でお祝いする大切なイベントです。

 

毎月のイベントだからこそ子ども達の心に楽しい思い出が残るよう、司会や出し物、誕生日プレゼントなどは工夫を凝らす必要があります。また、主役の子どもはもちろん、みんなで楽しめる内容を意識するのも大事です。

 

今回は保育園の誕生日会を盛り上げる司会のコツや出し物のアイデア、喜ばれる誕生日プレゼントを制作するヒントをまとめました。

保育園で誕生日会を行う目的・ねらいは?

保育園で行う誕生日会のねらいは、子どもがお祝いしてもらうことで多くの人に祝福される喜びを知り、友達の誕生日を心から祝えるようになることです。子どもは人間関係の中で喜びなどの感情を分かち合い、共感することで仲間意識が芽生え、友情や信頼感を育んでいきます。

 

園によっては誕生日会で異年齢の子どもとの関わりもあり、小さい子どもへの優しさや大きい子どもへの憧れなど、自分とは違う存在を認識し受け入れる機会にもなります。

 

また、毎月の誕生日会は集団の中で保育者の話を聞き、仲間とルールを守って楽しむことを学ぶ場にもできます。誕生日会には多くのねらいがありますが、子ども同士の関わりの中で思いやりを学び、社会性や道徳心を身に付ける大切な場ととらえてください。

誕生日会の司会はどうしたらいい?

 

保育園の誕生日会で司会に選ばれた場合、全園児と先生の前に出てプログラムを進行していかなければなりません。人前で話すのに緊張してしまうのは仕方がないため、スムーズに進めていくための事前準備が大切です。

 

以下から準備しておきたいことや、司会をする際のコツについて解説していきます。

司会が準備しておきたいこと

子ども達に伝えたいキーワードを、ポイントとして記載した全体の進行表を作成しておくと、スムーズに司会を進めやすくなります。緊張すると進行表を見る際に慌ててしまうため、重要な部分は目に入りやすいよう蛍光ペンなどで目立たせてください。

 

まず、進行表には「はじめのご挨拶」「紙芝居」などのプログラムを、目安となる時刻と一緒に並べます。プログラムの始まりには子ども達の期待感を上げるひと言を、終わりには余韻を残すような言葉を事前に記入しておくのがポイントです。

 

園によってはおおまかな流れが決まっていたり、司会進行表が準備されていたりといったケースもあります。司会を任されたら早めに確認しておきましょう。

司会をする際のポイント

保育園の誕生日会で司会をする場合は、子ども達にもわかりやすく伝わるように意識する必要があります。人前で話すのに慣れていない場合は周囲が見えなくなってしまうこともあるため、事前に心構えをしておくのが大切です。

 

子ども達に楽しんでもらうために、司会者が注意したい点、子ども達を惹きつける司会の進め方を解説していきます。

◎笑顔で話そう

司会で子ども達の前に出る際には、表情を豊かに出し笑顔で話すことが一番大切です。

 

子どもは大人の表情から感情を敏感に読み取るため、司会者の笑顔から楽しいイベントであることを感じてくれます。笑顔を出すのが苦手な場合は、普段から表情のトレーニングをしておくのがおすすめです。

◎ゆっくり話そう

緊張して早口になると、子ども達が聞き取りにくくなってしまうため、ゆっくり大きい声で話すように意識してください。

 

小さな子どもでも理解でき、楽しめるよう進めるのが重要です。全体ではなく1人ひとりの目を見ながら、話しかけるイメージで進めていきます。

◎子ども達を楽しませよう

司会のみで進めてしまうと、子どもの興味を引くのは難しくなります。プログラムの始まりに手遊びを入れるなど、子ども達を楽しませる工夫を進行の中に盛り込みましょう。

 

また、誕生日会では、子ども達から思いもよらぬ反応が返ってくるといった状況もつきものです。子ども達の発言も拾いながら、自分自身も含めて全体で楽しめるよう、柔軟に進めてみてください。

子ども達が盛り上がる!簡単・誕生日会の出し物アイデア8選

 

保育士にとって保育園の誕生日会は月に1度のイベントですが、主役の子どもにとっては年に1回の特別な日となります。また、子ども達には毎月お友達とお祝いできることを楽しんでもらいたいものです。

 

そのため保育園で行う誕生日会の出し物は、子ども達全員が参加できるものや、主役の子ども達にスポットを当てたもの、子どもが見て楽しめる内容など様々な出し物を入れ込みましょう。

 

新たな面白い出し物の参考としていくつか紹介していきますので、費用やスケジュールに合わせて検討してみてください。

アイデア①:パネルシアター

パネルシアターは大型のボードを立てて、キャラクターや文字などを貼り付けたり動かしたりしながら、物語を展開していく出し物です。シアター系の出し物には、演者のエプロンを舞台にするエプロンシアターや、スケッチブックを使うスケッチブックシアターなどもあります。

 

読み聞かせとは異なり、子ども達の反応を見ながら展開やリアクションを変えられるため、保育士と子どもが一体感を持って楽しめます。また、手作りで温かみを感じられるのも魅力のひとつです。

 

舞台は、パネルボードにパネルシアター用の布を貼り付けたものを使います。Pペーパーとよばれる専用の紙に絵を描いたものを切り抜いて、登場するキャラクターやアイテムを作成してください。

 

テーマは童話や昔話、アニメなど子ども達になじみがあるものや、子どもが好きな動物などのわかりやすいものがおすすめです。誕生日会に合わせてケーキやプレゼントを登場させたり、途中でクイズや誕生日の子どもの名前を織り交ぜたりすると喜ばれます。

アイデア②:歌・ダンス

歌やダンスは年齢関係なく、みんなが楽しめる出し物です。

 

準備するものも少なく、子ども達みんなが主役になれるため手軽に盛り上げられます。劇などが理解できない小さな子どもも体を揺らして楽しめるため、子どもの集中力がきれそうなタイミングに組み込むのもおすすめです。

 

準備する余裕がある場合は、保育士達が服装を変えて職員劇を織り交ぜ、楽器演奏を子ども達に披露して誕生日会らしい特別感を出す方法もあります。

 

子ども達に歌ってもらう場合は、誕生日に関連付けたものがおすすめですが、子どもが好きな流行歌なども取り入れると盛り上がります。ダンスは振付が簡単で覚えやすく、全員が楽しめる内容のものにしてください。

アイデア③:ペープサート

ペープサートはうちわのような紙を使った人形劇で、シアター型の舞台がいらない手軽な出し物です。

 

厚めの紙や割り箸があれば、簡単に作成できます。誕生日を迎える子ども達の顔写真を使い、物語に登場させるのもおすすめです。動きと裏表の変化により、子どもの興味を引きやすく飽きさせない工夫ができます。

 

紙を半分に折って絵の枠線を描き切り抜いた後、裏表で違う表情を描き貼り合わせます。キャラクターを土台に固定したい場合は、割り箸を挟んで持ち手を作ってください。土台には粘土や発泡スチロールに穴を開けたものをセットし、割り箸部分を突き刺して立てます。

 

ペープサートはイラストが小さいと見えにくくなるため、制作時に見やすいサイズにし、色味がはっきりしたものを選んでください。発表時は子ども達が見やすいよう扇形に並んでもらう、後ろは高い位置で鑑賞できるようにするなどの配慮も必要です。

アイデア④:タオルシアター

タオルシアターとは、ハンカチやタオルを折ったり丸めたりしてキャラクターを作り出す簡単な出し物です。

 

1~2分で完了する内容のため、プログラムの途中で準備に手間取ってしまった際に披露すれば、隙間時間にも子ども達に楽しんでもらえます。簡単な内容でも、タオルが何に変身するのかなど、子ども達の想像力を刺激できるのが魅力です。

 

タオルシアター専用のタオルなどもありますが、普段使っているハンカチやタオルでも様々なレパートリーを増やせます。

 

タオルシアターを披露する際には「〇〇を作るよ」と、予告しないのがポイントです。作りながら子どもの興味を十分に引き付け、完成したものを見せて何ができたのか、クイズ形式にすると盛り上がります。

アイデア⑤:クイズ

子どもが参加して盛り上がれるクイズやなぞなぞ大会も、人気の出し物です。

 

言葉の勉強になって思考力が鍛えられるうえ、気が散りやすい子どもでも競争心が刺激されて集中でき、意欲的になれます。

 

クイズの形式はみんなが参加できて雰囲気を楽しめるよう、シルエットクイズや移動式の〇✖クイズなどがおすすめです。

 

保育士や園に関する問題など、身の回りのことを問題に取り入れると盛り上がります。問題は子どもでも答えられるよう、シンプルで簡単なものを作成しましょう。

 

移動式のクイズを行う際には留意点として、移動の際に子ども達が興奮しすぎて衝突し、ケガなどをしないように注意します。開始前に、歩いて移動するなどのルールを子ども達に伝えておきましょう。

アイデア⑥:マジック

大人から子どもまで楽しめる簡単なマジックは、誕生日会を盛り上げるためにおすすめの出し物です。

 

マジックには本格的な道具や練習がなくても、コツがわかれば簡単に習得できるものが豊富にあるため、準備期間が短くても披露できます。子どもの好奇心を刺激し、驚きと興奮を与えられるのがマジックの魅力です。

 

マジックの内容は難しいものより、シンプルで子どもにもわかりやすいものを選びます。小さすぎる道具は遠くから見えないため、道具のサイズ感にも配慮してください。手や指だけで完結できる、お手軽マジックもおすすめです。

 

子ども達と一緒に楽しむためには、本番でマジックを披露する前に、不自然に見えないか鏡の前で練習しておきます。道具を使わないマジックの場合、披露した後はネタを明かして、子ども達と一緒にやってみると盛り上がります。

アイデア⑦:ゲーム

椅子取りゲームやフルーツバスケットなど、体を使った参加型ゲームは子ども達にも大人気の出し物です。

 

競い合うだけでなく、子ども同士で助け合ったり思いもよらぬ展開が起きたりと、エキサイティングな一面も期待できます。

 

フルーツバスケットは椅子取りゲームと似ていますが、椅子の内側で移動するゲームです。性別やグループ名などをオニが読み上げ、該当する園児は立って椅子を移動し、その隙にオニも椅子に座ります。

 

低年齢の子ども達には難しいため、読み上げを保育士が行うのがおすすめです。

 

ゲーム中は子ども達の動きも激しくなるため、椅子が倒れやすい、床が滑りやすいなどの問題がないか事前にチェックしておいてください。椅子や座布団などの準備物は、出しやすい場所にスタンバイしておきます。

アイデア⑧:インタビュー

誕生日を迎える主役の子ども達へ、インタビューコーナーを設けるのもおすすめの出し物です。

 

主役の子ども達にスポットライトが当たるため、みんなに祝福されているという喜びを感じられます。人前で発表できたという自信にもつながるためおすすめです。

 

インタビューの内容は、お名前と何歳になったかを答えてもらう、好きな食べ物や将来の夢を聞くなど、答えやすい簡単な内容にします。子ども同士での質問やお祝いの言葉を伝えてもらうと、保育士では聞き出せない内容がでる可能性もあるため、さらに全体で盛り上がります。

 

まだ言葉を話せない乳児や低年齢の子どもは、保育士が代わりに答えてあげます。また、緊張して上手く話せない子どももいるため、保育士が援助してあげてください。

季節ごとに使える出し物アイデア

 

誕生日会は年間を通して毎月行われるイベントのため、季節ごとの特色を出すのもおすすめです。

 

季節に合わせたモチーフを飾り付けや出し物に盛り込んで、子ども達の心に残る楽しい誕生日会を目指しましょう。以下から、季節ごとに使える出し物アイデアを紹介していきます。

春の誕生日会(3月・4月・5月)

3月から5月の春は、動植物が冬の眠りから目覚め、多くの花々が咲き始める時期です。春に関連するモチーフは桜やチューリップ、つくし、イチゴ、テントウ虫、蝶々などが挙げられます。主なイベントはひな祭りや進級・入園式、こどもの日などです。

 

春の誕生日会は、春のモチーフとなる絵本を用いた劇や、春の生き物を連想した手遊びがおすすめです。

夏の誕生日会(6月・7月・8月)

6月から8月は梅雨が終わると夏の真っ盛りで、この時期ならではイベントや楽しみも様々です。夏に関連するモチーフはあじさいや向日葵、花火、スイカ、海の生き物などが挙げられます。主なイベントは梅雨や七夕、お祭り、海水浴などです。

 

熱い時期はアイスクリームやかき氷など、涼しげな雰囲気のものを出し物に盛り込みます。スイカ割りや屋台ごっこを楽しめるのも、この時期の醍醐味です。

秋の誕生日会(9月・10月・11月)

9月から11月の秋は実りの季節で、様々な味覚が楽しめたり、木々も徐々に色づき始めたりする時期です。秋に関連するモチーフはドングリやもみじ、まつぼっくり、栗、さつまいもなどが挙げられます。主なイベントは十五夜やハロウィン、七五三などです。

 

出し物としては、月のウサギやお月見団子をモチーフに盛り込む方法があります。ハロウィンは、オバケなど子どもの好奇心を刺激する素材が豊富なため、ぜひ誕生日会にも取り入れてみてください。

冬の誕生日会(12月・1月・2月)

12月から2月の冬は年末年始のイベントに気持ちも沸き立ち、進級への期待が高まる時期でもあります。冬に関連するモチーフは雪だるまやサンタクロース、雪の結晶、鏡餅、チョコレートなどが挙げられます。主なイベントはクリスマスやお正月、バレンタインなどです。

 

出し物として、福笑いのパネルシアターはみんなが楽しめるため誕生日会にもおすすめです。誕生日を迎える子ども達に挑戦してもらったり、保育士が面白いアイマスクを付けて登場したり、より楽しめる趣向を凝らしてみてください。

子ども達が喜ぶ!誕生日プレゼントアイデア

誕生日を迎えた子ども達の楽しみのひとつであるプレゼントは、年に1度の特別なアイテムとなります。

 

誕生日会では、保育士からのプレゼントを身に付けた笑顔の写真を残してあげたいものです。趣向を凝らした手作りのプレゼントで、お祝いの気持ちを伝えましょう。

 

ここからは、保育士からの誕生日プレゼントにおすすめの手作りアイテムを紹介していきます。

プレゼント①:お誕生日カード

メッセージやイラスト、仕掛けなどで楽しめるのがお誕生日カードです。立体物でないため壊れにくく保存もしやすいため、保護者も子どもの成長を振り返ることができます。

 

手形や足形、子どもの顔写真などをラミネートしたり、将来の夢や好きなもの、保育者からのメッセージを残したりするとよい記念になるでしょう。保護者に協力してもらい、事前にメッセージを記入してもらう方法もあります。

 

手間はかかりますが、飛び出す仕掛け付きカードも特別感があるのでおすすめです。

プレゼント②:王冠

手作りの王冠は、お誕生日会にぴったりのアイテムです。身に付ければ一気に華やかになり、王様やお姫様のような主役気分を味わえます。

 

プレゼントとして渡す場合には、色画用紙や折り紙で制作するのがおすすめです。飾りとして、100円均一でも入手できるカラフルなフェルトボールを付けると、豪華に仕上がります。安定感がない場合は、子どもがしっかり頭に固定できるよう顎紐をつけてあげてください。

 

写真撮影用にフェルトでクラウンを作るのも、ぬくもりが感じられるおすすめアイテムです。毎月使い回せるため、子どもにとって誕生日に身に付けられる憧れの王冠になるでしょう。

プレゼント③:メダル

主役の子どもには手作りメダルを付けて、お祝いムードを盛り上げましょう。メッセージカードと並んで保存しやすく、手軽に身に付けられるため子どもにも喜んでもらえます。

 

折り紙を折って作ったり、色画用紙を切り抜いて作ったりといった方法があります。ガチャガチャの玉を使った立体メダルもおすすめです。メッセージや身長、体重などの成長の記録を書き込めば記念の品にもなります。

 

乳児は引っ張って口にしてしまうこともあるため、ブローチにして背中の方に付ける方法もあります。メダルは平らな壊れにくいデザインを選び、服に付ける部分はクリップなど危険のないものを使用してください。

保育園の業務支援はチャイルドケアシステム

 

毎日の連絡帳管理や保護者からの電話対応、保育に関わる資料作成などと、保育士は多くの仕事に追われています。誕生日会をはじめとしたイベントや行事の準備に取り掛かりたくても、思うように進まないという悩みもつきものです。

 

子どもともっと向き合う保育を実現したいという場合には、保育業務を効率化するChild Care Systemの導入を検討してみてください。

 

時間のかかるシフト管理や月案作成、園児の登降園記録といった120種類以上の機能で、保育士の日常業務の負担を軽減してくれます。連絡帳アプリで保護者との連携も取りやすく、保護者側からのお休み連絡やお迎え時間の変更伝達もアプリ上で管理可能です。

 

導入までの手順も担当者がついて対応してくれるため、運用開始までスムーズに進められるでしょう。コロナ禍でも安心できる、オンラインでの相談受付や操作説明会も実施しています。

まとめ

 

保育園の誕生日会は、しっかり準備していても当日になると上手く進まなかったり失敗してしまったりといった事態も、起こりえます。しかし、慌ててしまっては子ども達に不安が伝わる可能性もあります。

 

保育園の誕生日会は、誕生日を迎える子ども達やお祝いする子ども達が楽しめることが重要です。上手く進行できなくても笑顔を忘れず、子ども達と一緒に楽しみながら臨機応変に対応していきましょう。

 

ぜひ、みんなが笑顔で誕生日を祝福できる誕生日会を目指して取り組んでみてください。