トイレトレーニングはいつから始める?
トイレトレーニングはおむつ外しとも呼ばれ、いつからスタートしようかと悩む方も多いです。トイレトレーニングに明確なスタートの時期はありませんが、目安としては1歳7か月頃から、徐々にスタートすると良いとされています。
ただし、子どもの成長速度はそれぞれ違います。年齢や月齢に左右されることなく、成長に合わせていつから始めるかを決めるのがおすすめです。
以下では、トイレトレーニングについて詳しく掘り下げていきます。
トイレトレーニングを始めるタイミングの目安
トイレトレーニングをいつから始めるかは、年齢や月齢以外に、子どもの成長を見て判断する方法があります。たとえば、子どもが1人でトイレまで歩けるかどうか、便座やおまるに座っていられるかどうかなどを目安に、スタート時期を決めるようにします。
また、トイレトレーニングをするためには、膀胱が成長しているかどうかも注視しておくべき点です。
スタートする前に、おむつが2時間以上濡れないことが頻繁にあるかどうかを確認します。おむつが以前のように頻繁に濡れなくなったという場合は、スタートに良い時期といえます。
他にも、保育士や保護者と簡単なコミュニケーションが取れるかどうかも判断の目安です。子どもが保育者の言っていることを理解できるか、自分の意志を簡単な言葉で伝えられるかどうかで確認しましょう。
- 子どもが1人で歩いてトイレまで行けるかどうか
- 便座やおまるに座っていられるかどうか
- トイレの間隔が2時間以上空いているかどうか
- 保育者と簡単なコミュニケーションが取れるかどうか
トイレトレーニングの心構え
前述したとおり、トイレトレーニングは子どもの成長を見ながら進めていく必要があります。そのため、保護者、保育士の精神的な余裕や心構えも必要となります。
子ども1人1人の成長に合わせて、まずは排泄の気持ち良さを教え、トイレに慣れさせ、トイレで排便することが習慣になるように、数年かけて根気強くトイレトレーニングを行っていくことが重要です。
トイレトレーニングを始めるのにおすすめの季節
トイレトレーニングをスタートする際は、始める季節にこだわるのもおすすめです。おすすめの季節は、春から夏にかけての薄着になる時期です。薄着になることで、トイレに行く際の洋服の着脱が簡単になります。
また、最初のうちはうまくいかず、洋服が濡れてしまったり汚れてしまったりすることもあります。そういった場合でも、この季節であれば洗濯してもすぐに乾かすことができるので、この時期にスタートするのがおすすめです。
保育園・幼稚園でのトイレトレーニングは?
保育園・幼稚園のペースに合わせてもらう
保育園や幼稚園でトイレトレーニングを行う場合は、園のペースや考え方に合わせてトイレトレーニングを行ってもらうよう、保護者にお願いをすると良いです。
園と自宅でスタート時期ややり方に大きな違いがあると、子どもが混乱をしてしまう可能性があります。
また、園でトイレが上手にできた場合などは、保護者に報告をすることも大切です。保護者にも褒めてもらうことで、今まで以上にトイレトレーニングにやる気を出してくれるでしょう。
入園前に自分でトイレに行けなくても大丈夫?
幼稚園の場合は、園でトイレトレーニングは行わないため、入園前におむつを外すようにお願いする場合もあります。ですが、トイレトレーニングの進み具合には個人差があります。そのため、中には入園前におむつが取れなかったということも考えられます。
その場合は、臨機応変に保護者の相談に乗ってあげるようすると良いです。また、入園後、他のお友達がトイレに行っているのを見ることで、トイレトレーニングに意欲が湧いてくるようなこともあります。
そのためあまり気負したり先急いだりせず、子どものペースに合わせてトイレトレーニングを進めてもあまり問題はないでしょう。
トイレトレーニングの進め方
トイレトレーニングをいつから始めるか決めた後は、進め方についても学びましょう。ここでは一般的なトイレトレーニングの進め方について、紹介していきます。ただし、進め方には個人差があるので、子どもの成長や性格に合わせて行うことが大切です。
- ステップ1:「トイレ」について知ってもらう
- ステップ2:トイレに行って座ってみる
- ステップ3:1日に何回かトイレにいけるようになる
- ステップ4:自分から「トイレに行く」と言えるようになる
- ステップ5:パンツを履いてみる【昼間】
- ステップ6:パンツを履いてみる【外出時・睡眠時】
ステップ1:「トイレ」について知ってもらう
まずはトイレについて知ってもらうことが大切です。これまでオムツで排泄していたため、最初のうちはトイレが何をする場所なのか理解できていない場合があります。
トイレについて知ってもらうためには、子どもが興味あることを使って学ばせるのがおすすめです。たとえば、絵本やテレビ番組です。
また、子どもと一緒に遊ぶおままごとなどに、トイレに行くという行動を加えるといった方法もあります。その他にもペットがいる場合は、ペットがトイレに行くのを子どもに見てもらうことで、トイレについて知ってもらえる可能性があります。
ステップ2:トイレに行って座ってみる
トイレでは何をする場所なのかを理解できたら、一緒にトイレに行ってみます。
補助便座やおまるがある場合は、座らせてみるのがおすすめです。ただし、この際にトイレに行くのを嫌がったり座るのを拒んだりした場合は、時間をあけるなどして無理強いはしないようにします。
また、トイレに良い印象を持ってもらうために、トイレは清潔にしておくと良いです。補助便座やおまるは子どもの好きなキャラクターのものにしたり、子どもが好きなステッカーなどを壁に貼ったりするのもおすすめです。
ステップ3:1日に何回かトイレにいけるようになる
トイレに座るのを嫌がらないようであれば、トイレに行く時間を決めて、1日に何回かトイレに行くよう促してみましょう。行くタイミングとしてはご飯の後、お昼寝の前などがおすすめです。
ただし、実際に時間を決めてトイレに行くように促しても、すぐにトイレで排泄ができるようになる訳ではありません。まずは、トイレに座るということを習慣づけることが大切です。
そして、トイレで排泄ができた際はたくさん褒めてあげましょう。褒めることで、次も頑張ってみようという気分にさせてあげられる可能性があります。
大切なのは子どもの気持ちです。何日やっても、ただ座るだけという場合もあります。その場合でも怒らず、気長に付き合ってあげることが大切です。
ステップ4:自分から「トイレに行く」と言えるようになる
毎日同じタイミングで子どもをトイレに連れて行くと、そのうち子どもの中でもトイレで排泄することが習慣化され、トイレしたくなったときに自分から「トイレに行く」と言えるようになります。
また、トイレで排泄ができることが増えると、自分で「おしっこできた」と言うようにもなります。
子どもが自分でトイレに行けるようになった場合や排泄ができたときは、たくさん褒めてあげるようにすることが大切です。褒めてあげると、子どもも排泄はオムツではなく、トイレでするものと自然と理解するようになります。
ステップ5:パンツを履いてみる【昼間】
トイレで排泄ができる回数が増えてきたら、まずは昼間にパンツを履かせてみましょう。この際は、普通のパンツではなく、厚手の布や紙でできたトレーニングパンツを使うのがおすすめです。
パンツを使うことで、オムツの頃のように排泄してしまうと足が濡れてしまって、気持ちが悪いと感じることができます。そしてそのように思うことで、排泄はトイレでしようと思うようになる可能性があります。
ただし、このように思うまでの期間は子どもそれぞれです。中にはいつまで経っても、あまり気にならずパンツの中で排泄してしまう子どももいます。
そのような場合でも厳しく叱ったり責めたりせず、気長にそのときが来るのを待つことが大切です。
ステップ6:パンツを履いてみる【外出時・睡眠時】
昼間パンツのままでも過ごせるようになったら、最後は保護者に、外出時や寝ているときもパンツを履かせてみることをお願いしましょう。外出時にパンツにする場合は、失敗したとき用に着替えを持参することを忘れないようにすることも伝えると保護者は安心できます。
一方、寝るときにオムツを外すタイミングは、焦らなくて良いとも言われています。寝るときにオムツを外すためには、膀胱が成長していることが前提です。そのため寝るときのパンツは、朝オムツが濡れていないことが増えるようになったらスタート時期であることもあわせて伝えましょう。
トイレトレーニングのコツとは?
トイレトレーニングは、周りの大人がどんなに頑張っても進まないということもあります。次は、トイレトレーニングがうまく進むためのコツについて紹介していきます。
- トイレで楽しめる工夫をする
- ごほうびを用意する
- うまくいかないときは一旦止める
トイレで楽しめる工夫をする
トイレになかなか行かない、連れて行こうとすると嫌がるという子どももいます。そのような子どもは、新しいことや場所への警戒心が強い可能性があります。
まずは、トイレが楽しい場所であるということを印象付けるのが大切です。たとえば、歌を歌いながら連れていったり、トイレの壁を子どもが喜ぶように飾り付けたりするのも1つの手です。トイレは怖い場所ではないということを子どもに知ってもらうようにします。
ごほうびを用意する
子どもはごほうびがあるとわかると、そのために頑張ろうと必死になります。そのため、トイレに行けたらごほうびをあげるというのもおすすめの方法です。
トイレトレーニングのごほうびの代表格と言えば、ごほうびシールではないでしょうか。トイレに行けたらシールを1つ渡します。
シートにシールを集めさせ、たくさん集まったらさらに大きなごほうびを用意してあげると、トイレで排泄することに積極的になってくれる可能性があります。
うまくいかないときは一旦止める
何をしてもうまくいかないという場合もあります。その場合は、一旦トイレトレーニングを止めるのも1つの方法です。
トイレトレーニングには子どもの心の成長が不可欠です。トイレトレーニングがうまく進まないという場合は、まだトイレトレーニングを行う時期ではなかったという可能性もあります。
前述したように、トイレトレーニングの進み具合には個人差があります。焦らず子どもの様子を見て、いつから再度始めるかを検討することが大切です。
トイレトレーニングでやってはいけないことは?
トイレトレーニングでは、周りの大人たちがやってはいけないことがあります。保護者はもちろんのこと、園で子どものトイレトレーニングに携わる人は以下の内容を参考に、子どもと向き合うようにしましょう。
- 叱る
- 無理やり連れて行く
- 周りと比較する
叱る
トイレトレーニングが思うように進まないと、イライラしてしまうこともあるでしょう。しかし、トイレトレーニングで子どもを叱るようなことは良くありません。
子どもを叱ると、トイレにさらに嫌悪感を抱いてしまう場合もあります。また、プレッシャーに感じて、さらにトイレトレーニングがうまくいかなくなることも考えられます。
トイレトレーニングは、短期間で完結できるような簡単なものではありません。子どもの成長に気長に付き合うことが大切です。
無理やり連れて行く
トイレに行くこと自体を拒み、トイレトレーニングが全く進まないということもあります。その際に、無理やりトイレに連れて行くのは避けるようにします。
特に、トイレトレーニングがスタートする時期は、多くの子どもたちがイヤイヤ期を迎えます。無理やり連れて行くことでイヤイヤに拍車がかかり、手に負えなくなる可能性があるため、子どもの意思を尊重するようにすることが大切です。
また、トイレに行くのをあまりにも嫌がる場合は、今がスタート時期ではない可能性もあります。その際は時期を改めてみてください。
周りと比較する
トイレトレーニングは、進み具合に個人差があります。そのため、どうしても他の子どもと比較してしまったり、兄弟間でも、お兄ちゃんに比べてこの子は遅いと考えたりしてしまいます。
しかし、比較をしても何も変わりません。子どもの成長は人それぞれです。
習得が早い子どももゆっくりペースの子どもも、いつかは必ず成長します。焦らず、目の前の子どもの成長をしっかり見届けてあげることが大切です。
保護者とスムーズなやりとりをするならChild Care System
保育園と保護者間でスムーズなやりとりをしたい場合は、Child Care Systemがおすすめです。Child Care Systemは、保育業務をICTによって効率化するシステムです。
今まで手書きで行っていた連絡帳も、アプリに入力をすれば簡単に報告することができます。保育園でトイレトレーニングを行う際は、保護者との連携が不可欠です。子どもの成長を一緒にサポートするためにも、チャイルドケアシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
トイレトレーニングは、保育をしている方にとっては誰もが経験する大きな壁です。いつからスタートするべきか、また、どのようなやり方が良いのかなどと困惑してしまうこともあるでしょう。
しかし、トイレがきちんとできるようになることは、子どもにとって大きな成長の証といえます。トイレに行けるようになることで、自分でできるという思いを芽生えさせることが可能です。トイレトレーニングに携わる際は、子どもをたくさん褒めて成功へと導いてあげましょう。