保育園の夏祭りのねらいとは

夏祭りは保育園に通う子どもたちのボルテージが上がるイベントです。日常でなかなかできない体験ができたり、新しいことに取り組めたりできる絶好の機会となります。

保育施設が夏祭りを行うためのねらいとしては、以下のようなことが挙げられます。

 

【夏祭りの狙い】

・夏祭りを通して日本の伝統や文化に触れる

・保護者や近隣の方々との親睦を深めて地域社会とのつながりを感じる

・保護者同士の親交を深める

 

子ども達に夏祭りを体験してもらうことにより、ヨーヨー釣りや金魚すくいなど昔の遊びを教えることができ、最近使われることが少なくなった夏の風物詩や日本ならではの伝統を子どもたちへ伝えることもできます。

 

また、事前に夏祭りにちなんだ物を作って施設内に飾っておけば、夏祭りに対する興味が湧いて気分が盛り上がり、子ども達は当日を迎えるまでの期間も楽しみながら過ごすことができます。

 

夏祭りで行う出し物によっては、地域の人々と交流するチャンスも得られますので、子ども達が普段、接触する機会の少ない近隣の方々と触れ合うことで、地域社会とのつながりも感じられるようになりますし、保護者も参加することから、子ども達だけのねらいだけではなく、保護者同士親交を深めてもらうなどのねらいもあります。

夏祭りの準備とは

テーマを決める

まず夏祭りの1日を統括するようなテーマ決めからスタートしましょう。

七夕や、盆踊り、縁日など夏祭りに関するものにすると、夏祭りに統一感がでるためオススメです。

一番初めにテーマを決めることで、その後に決めなければならない出展や装飾づくりなども決めやすくなります。

スケジュール・プログラム(しおり)作成

テーマが決まったら、スケジュールとプログラムの作成に入ります。

スケジュールやプログラムを作成した後にテーマを決めるのではなく、まずはテーマを決めて、その後に開催日程から決めるとよいでしょう。

その際に、雨天時に延期にする場合の延期後の日程も決めることを、天気が悪いと分かった段階で日程を先送りすることもできるようになります。

 

日程を決めた後は、行事全体の開始時刻と終了時刻を決めて、メインイベントの出し物となるようなものがあれば時刻を設定するようにしましょう。

全ての出し物の大凡決まったら、全体的なタイムスケジュールを組んで、プログラム(しおり)を作成しましょう。

夏祭り当日は、保護者の方々が車で移動される方々も多いため、プログラム(しおり)に駐車場案内や駐車台数の制限なども忘れずに記載することをオススメいたします。

夏祭りのゲームや出店・装飾づくり

プログラム(しおり)の作成後は、出し物や出店の準備や装飾作りに入ります。

実際のお祭りの露店に似た看板を子ども達と作成し、夏祭りまでの準備期間も楽しい雰囲気を作るよう心掛けてみて下さい。

 

子ども達が作った装飾物とともに、夏を感じさせる風鈴、花火、はっぴ、浴衣、下駄などの装飾物を一緒に飾ることができれば、当日の夏祭りの雰囲気と子ども達の成長を一緒に保護者の方々に感じてもらうことができます。

保護者へのお知らせ

夏祭りのテーマや出し物、スケジュールなどが決まったら、夏祭りに関するお便りや招待状を作成して保護者の方々へ渡します。

保育施設の出入り口にポスターを貼ってお知らせするのもオススメです。

 

【お知らせする内容】

・夏祭りの日時

・夏祭りを行う場所

・夏祭りの内容

・夏祭りの目玉イベント

・駐車場の案内

夏祭りを楽しくするゲーム出店の作り方

夏祭りならではのゲームを用意しておくと、子ども達はいつもと違う遊びに大喜びし、夢中になって取り組むでしょう。

子ども達が夏祭りに夢中になっている姿が見れると、大変だった準備期間も忘れるくらい嬉しいですね。

次の章からは身近な道具や文房具を使って簡単にできる夏祭りが盛り上がるゲーム出店の作り方を紹介します。

【出店①】金魚すくい・魚釣り

準備する物

水を使った金魚すくい、水を使わずに遊べる魚釣りの準備を紹介します。金魚すくいは、水に浮かべた紙の金魚を手作りの網ですくいます。金魚すくい作りに必要なのは下記の7つです。

 

  • ビニールプール
  • 牛乳パック
  • 油性ペンなど
  • ストッキングタイプの排水口用水切りネット
  • はさみ
  • ホッチキス

 

ビニールプールがない場合は、大きめのたらいなどを用意しましょう。両面加工されている牛乳パックは描けるペンが限られるため、注意してください。

 

魚釣りは、海や川に見立てた大きな紙上に置いた紙の魚を、クリップに引っ掛けて釣ります。準備する物は次の通りです。

 

  • 模造紙など
  • 厚紙
  • マジック
  • はさみ
  • クリップ
  • セロハンテープ
  • 割りばし
  • ビニールテープ
  • タコ糸

作り方の手順

金魚すくい、魚釣りのどちらもアイデア次第で本物らしくなります。

まずは金魚すくいを作る手順を説明します。

 

牛乳パックの一面を2cmくらいの幅にカットしたものを3本用意し、そのうちの2本で円を作ってホッチキスで止め、水切りネットをかけて持ち手を付けると網ができます。金魚はパックを切り抜いて色をつけ、目などを描き込みましょう。

 

魚釣りの魚は、厚紙に魚の絵を描いて切り抜き、S字のように開いたクリップの半分を裏側に貼り付け、表に出た部分を折り曲げて引っ掛ける部分を作ります。

 

釣り竿は、W型に開いたクリップ中央の山部分にタコ糸を結び、糸の反対側をゴムテープで割りばしへ取り付ければ出来上がりです。糸の長さは子どもの身長に合わせましょう。

【出店②】ヨーヨー釣り

準備する物

ヨーヨーは、カプセルトイの入っていたカプセルを利用して作ります。

穴の開いたカプセルを選ぶと、ひもを通す作業が楽になります。

 

また、不透明なタイプや2色使いのカプセルではなく、1色だけの透けて見えるカプセルを用意すると、風船を使ったときと同じように涼感を出せます。準備する物を具体的に見てみましょう。

 

  • ビニールプールなど
  • カプセルトイのカプセル
  • ビニールテープ、カラーシール、マスキングテープなど
  • 輪ゴム
  • ビーズなど(軽い物)
  • はさみ
  • クリップ
  • キッチンペーパーまたは紙ナプキン

 

輪ゴムは1つのヨーヨーに対して3本ほど必要です。飴色でもかまいませんが、色つきの輪ゴムだとよりカラフルなヨーヨーが作れます。

作り方の手順

ヨーヨー釣りに必要なのは、ヨーヨーと釣る道具です。まず、カプセル上部の穴へ外れないように輪ゴムを1本通し、カプセルの下側にビーズなどを適量入れてから上側をかぶせましょう。

 

次に、真ん中から外れてしまわないよう補強しながら、ビニールテープやシールなどを使ってカプセルに模様をつけます。デザインが完成したら、最初に通した輪ゴムへ残りの輪ゴムを取り付け、最後にゴムを指にかけて弾ませ音がするか確かめましょう。

 

釣る道具は、すぐに切れてしまわないよう少し丈夫な紙を裂いて作ったこよりを利用します。こよりは、W字型に曲げたクリップの中央に取り付けましょう。ビニールプールなどへヨーヨーを並べて釣ると、本物と同じ雰囲気が味わえます。

【出店③】的あて

準備する物

的当ては、投げる距離や的を置く高さを変えれば、多くの子どもが楽しめる遊びです。うまく投げられない子どもも、大人のサポートがあれば参加できます。簡単に手に入る材料で安全な的あてを作ってみましょう。

準備するのものは以下の通りです。

 

  • 模造紙または画用紙
  • フェルト
  • ピンポン玉
  • マジックテープ
  • はさみ
  • カラーペンなど
  • グルーガン、両面テープなど

 

フェルトやマジックテープは、裏がシール式になっている物を用意するとすぐに貼り付けられて便利です。ピンポン玉は、卓球の練習や試合で見かける色以外に、カラフルなボールも販売されています。

 

どのような的当てにすると楽しめるかデザインを考えながら、フェルトやピンポン玉のカラーを決めてみましょう。

作り方の手順

的と投げるボールを作る手順を説明していきましょう。的は、フェルトを好きな形に切って作ります。形にこだわって切ったフェルトをそのまま使うこともできますが、的自体にデザインを施すと完成度が高くなります。

 

的は大きさを変えていくつか作り、模造紙や大きめの画用紙へ貼っていきます。フェルトがシール式になっていない場合は、グルーガンや両面テープなどでしっかり貼りましょう。点数やイラストは、貼り付けた紙に描くこともできます。

 

投げる玉はピンポン玉へマジックテープをつけ、的に貼り付くようにしましょう。マジックテープの貼り方で付き方に差が出ます。細長く切り、スイカの黒いラインのように8本ほど貼ってみましょう。

【出店④】輪投げ

準備する物

輪投げも、ルール次第で子どもたちが楽しめるゲームです。飲み物の空き容器などの廃材をメインに利用して作れます。的と輪を作るときは、以下のものを揃えておきましょう。

 

  • 段ボール
  • 新聞紙またはチラシ
  • ペットボトル
  • マスキングテープ
  • ビニールテープまたはガムテープ
  • はさみ
  • 両面テープ
  • 目打ち(千枚通し)
  • 油性ペンなど
  • 絵具

作り方の手順

ペットボトルの的、段ボールを土台にした的、輪を作る手順を見ていきましょう。絵具を溶かした色水をペットボトルの中に入れ、周りをマスキングテープや油性ペンなどで華やかに飾れば的が完成します。

 

もう1種類の的は、土台から作りましょう。丸く切った段ボールを重ねて両面テープで貼り、真ん中に穴を開けます。新聞紙やチラシを細長く丸めて棒状にしてからビニールテープで巻いて棒を作り、段ボールの穴に差し込めば出来上がりです。

 

棒のままだと目印がないので、上部に絵を描いた旗などを付けると的が分かりやすくなります。

 

投げる輪も、細く丸めた新聞紙を円状にして作ります。ビニールテープやカラフルなガムテープを巻き付けて、子どもたちが握れる太さにしましょう。

おすすめの飲食店の出店

夏祭りと言えば、食べ物や飲み物の屋台も欠かせません。飲食店はその場で作れる食べ物、調理室を使って準備する食べ物があります。

ここでは、子どもたちが好きな食べ物からおすすめの飲食店をご紹介します。

かき氷


暑い夏のイベントに欠かせないのが、子どもたちに人気のあるかき氷です。暑い中で火を使わずに作れるため、準備にも時間がかかりません。一気に削れる業務用かき氷器をレンタルしておくと、注文が殺到しても時間を掛けず対応できます。

カレー


お腹がいっぱいになる食べ物を出すのであれば、カレーがおすすめです。>カレーライスばかりでなくナンと組み合わせるなど、様々な形で提供できます。

カレーのお店を出すときは、立ったままでも食べられるよう工夫するか、座れる場所を用意しましょう。

ポップコーン


はじける様子を目の前で見られるポップコーンも、保育園の夏祭りにぴったりです。レンタルのポップコーンマシンを依頼するときに必要な道具や材料を一緒に頼めば、それだけで準備完了です。できるだけ待たせないように、最初は多めに作っておきましょう。

ゲームの景品は?

ゲームには、頑張ったご褒美として渡すための景品が必要です。景品があると子どもたちはやる気が湧き、張り切ってゲームに参加してくれるためオススメです。

本章では子どもたちが喜ぶ夏祭りのオススメの景品を紹介します。

メダル

身近な材料を使って、夏祭りらしいメダルを作りましょう。特別感のあるメダルがもらえると、子どもたちは喜びます。

 

折り紙、段ボール、紙皿などをベースにして装飾し、リボンを使って首にかけられるように仕上げましょう。

お菓子

お菓子も子どもたちにとって魅力的な景品です。余裕があるときは、子どもが喜ぶお菓子を手作りで準備すると良いでしょう。

 

市販の駄菓子を景品にするときは、駄菓子専門の問屋からまとめて購入すると、予算を抑えられます。

おもちゃ

子どもたちには作るのが難しいおもちゃを、折り紙で折って景品にするのも良いでしょう。くるくる回るハンドスピナーやこま、手裏剣、びっくり箱などは楽しく遊べます。身につけられるブレスレットやリングなども、喜んでもらえます。

夏祭りにおすすめの出し物とは

お神輿

子どもたちが担ぐお神輿も、夏祭りを盛り上げるのに外せません。伝統的なデザインをモチーフにしたお神輿から、子どもたちの発想が活かされたユニークなお神輿まで、保育園によって様々な形が見られます。

 

クラスの友達と一緒に大きな制作物に取り組み、完成したお神輿をみんなで担ぐのは普段できない貴重な体験です。作りながら協力して目標へ向かうことの大切さを知り、やり遂げた充実感を得ることができます。

盆踊り

子どもたちと保護者、先生がみんなで輪になって踊る盆踊りも楽しい出し物です。踊る音楽は人気のある子ども番組やアニメで流れる歌、保育園で踊ったことがある曲から、どれが好きかリサーチして選ぶと良いかもしれません。

 

盆踊りを盛り上げるには、踊りにも工夫してみましょう。>踊りを知らなくても夏祭りの参加者全員がすぐに踊れるように、簡単な振り付けを考えておきます。実際に踊っている動画などを、振り付けを考える際に役立ててみましょう。

まとめ


ここまで保育園の夏祭りの準備や出し物を紹介してきました。

夏祭りは季節を感じながら日本の伝統や文化に触れられる良い機会ですが、保育園に通う園児たちの心にいつまでも残るような楽しい思い出を作る大切な機会です。

 

普段の業務をこなしながら、限られた時間で夏祭りの準備を進めていくのはとても大変ですが、子どもたちの弾けるような笑顔が見られるのを期待しながら1つずつ準備に取り組んでいきましょう。