【最初から読む】現場に足を運ぶことで、より良いプロダクトの開発を目指す…第1回目のインタビュー記事はこちらから。

保育士さんが担当している業務量の多さは想像以上だった

Q:はじめて保育現場に行った際に、どんなことを感じましたか?

保育士さんたちの業務量の多さに驚かされました。もちろん、頭では理解していたつもりなのですが、実際に現場に行ってみるとそれは想像以上でしたね。

保育士さんは事務作業が多く、保護者の方への連絡も含めてやることがたくさんあります。さらに、子どもたちがいる時間は子どもから目を離せません。子どもは朝から晩までずっと保育園にいるので、残業が当たり前のような状態になってしまっている保育園もあるのです。

また、保育業界の難しいところはデジタル化に前向きな人とそうでない人との差が激しいとう点です。その差を小さくしていくことも今後の課題となってくる部分だと考えています。

Q:保育の現場に新しいテクノロジーを組み込むにはどのような難しさがありますか?

現場に直接足を運ばなければ分からなかった部分ですが、午睡センサーの開発をひとつとってみても、子どもが誤って飲み込まないような設計にするなどの工夫が必要になってきます。また、大きな保育園では、センサーとの通信が途絶えないように注意する必要がありますね。直接現場に来ることで、思った以上にプロダクトをつくる上での制約があるんだなと感じました。

また、保育士さんたちの日常の業務を効率化させることができない限りは、弊社が取りたいようなデータを集めることも難しいと感じています。株式会社CHaiLDが目指す「保育の個別最適化」を実現するためにも、保育士さんたちの業務負担を減らすことが重要になってくると考えています。

CCS導入の最大のライバルは”紙”の存在!?

Q:保育現場に株式会社CHaiLDのシステムを導入する障壁となっているものは何ですか?

私が一番の敵だと考えているのは、他社のサービスではなくて”紙”の存在です。
保育の現場では、まだまだ紙を使って子どもたちのデータを管理していることも多く、保育士さんたちは紙での業務に慣れている方々が多いですね。

スマートフォンやタブレットを使った方が効率的になるとわかっていても、慣れている”紙”を使ったほうが安心感があるし、むしろ早く仕事が終わると考えている人が多いのです。

保育士さんは子どもから目を離すことができません。保育園内での持ち運びが便利で、手元にずっと置いておける紙は非常に便利だと言えると思います。

Q:どのようにすれば、現場でシステムをより活用してもらえると考えていますか?

システムを本格的に活用してもらうためには、スマホやタブレットを使った方が圧倒的に便利だということを保育士さんたちに実感してもらわなければなりません。

人間は1.5倍くらい効率的になったくらいではあまり行動を変えません。慣れている方が安心感もあるし、時間もかからないのです。10倍くらい楽になるという体験をしないと、なかなか慣れている行動を変えるような動機にはならないかもしれません。

新しいものに変えるのはそれほど高いハードルがあるのです。ぜひ、保育士さんたちには納得感を持った上でシステムを有効活用してもらえればと考えています。

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柴田 直人 しばた なおと

東京大学工学部卒。専門は深層学習と機械学習。社会福祉現場の真の課題の解決策を提供するために、Child Care Systemを設計・開発。

ライター:小町 ヒロキ

早稲田大学政治経済学部を卒業後、大手損害保険会社で5年間営業職として勤務。退社後、金融機関での勤務経験を生かし、Webライターとして独立。
現在は、複数のメディアにて取材ライターとして活動中。

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