不動産テックでは、ままならない保育開設者による「保活」 ~保育園用の物件探しの苦労話

 

『不動産テック』という言葉を聞いたことはありますでしょうか?

不動産テックとは、IT技術を使って、不動産取引のマッチングや取引事務を効率化、高度化させようというサービス分野のことです。

私は、最近まで関西方面で保育園を新規に建設するための物件探しや、開設までの準備を担当してきました。このような経験を活かして、保育施設運営をシステムの方からもお手伝いするようにということで、CCSサービスの担当となりました。

 

物件探しは、やはり足で稼ぐ「保活」が大事

さて、仮に60名定員の認可保育園を開設したいと考えた場合、施設を建設したり、施設が入居したりする物件の情報をどのように探せば良いのでしょうか?

賃貸マンションや物販・飲食店、オフィス物件等であればインターネット上の検索サイトや、街中の不動産店舗等で、それなりに見つけることができるでしょう。まさに、不動産テックによるサービスが全開となる取引分野です。

しかし、私の経験上、『保育所に最適です!』というような物件情報は、このような手段では、まずお目にかかることはありません。

入園される子どもさんのこと、働いてくる保育士さんのことを思えば、『最寄り駅から近い』『園庭が整備できる広い土地がある、もしくは近くに公園がある』『周辺環境が安心』等、好条件が重なる物件を、やはり探したいところです。となれば、開設したい地域を自らの足で空き物件を探したり、地域の不動産事業者の方々を個別にお伺いしたりして、とにかく数多くの情報を集めるしかありませんでした。

認可保育園といえば、ここ数年で耳になじんだ言葉として「保活」があるかとおもいますが、保育園を開設しようとする私どもも、より保育園に適した物件との一期一会を目指して、「保活」をしているのです。

 

オーナー様とは長いお付き合い

さらに、いざ保育所開設に適した物件を見つけても一筋縄には進まないのです。

立地条件にもよりますが、同様な物件はコンビニエンスストアやドラッグストア等の小売店と競合するケースも少なくありません。仮に、ドラッグストア等と競合となる場合、賃借料的には保育園の方が圧倒的に不利なため、交渉は厳しくなります。

ただ、昨今コンビニエンスストアも数年で閉店されるケースも見受けられますし、ドラッグストアもコロナ禍の影響か、インバウンド需要の高い都市部の退店事例を耳にする機会も増えてきました。とすれば、そういった商業施設での土地活用で、以前に比べ退店リスクが高まっているようにも思われるので、長期間契約が前提の保育園への土地・建物提供は、賃料収入こそ低いものの安定した土地活用策かもしれません、といった感じでお話をすると耳を傾けてくれる物件オーナー様もおられます。

ちなみに、認可保育園として、保育事業者が土地・建物等をお借りする場合、10年以上の長期間の契約となります。そもそも認可保育所は10年・20年で閉所することを想定しておりませんので、物件オーナー様の中には、長期間の契約にとまどわれる方がいらっしゃるのも事実です。

そこで、改めて福祉施設であることや、保育園運営は地域貢献事業であることをご説明差し上げると、多くの方がご理解くださいます。「長年、お世話になった地域の方に恩返しがしたい」と言ってくださった物件オーナー様もいらっしゃいました。完成した「あい・あい保育園」をご覧になられて、たいへん喜んでいただき、その時の笑顔が、今でも思い出されます。

保育園の新規開設というのは、オーナー様との相互理解を踏まえた、長い「お約束」の始まりということになりますので、不動産テックを用いてWEBで必要事項を記入して、取引完了ということになりません。

 

保育業務システムも「長い」お付き合い

足で集める情報、そしてご理解のある物件オーナー様と出会えた『ご縁』により、計画を踏まえた新規の保育園開設を順次実施できました。

物件情報の収集においても、物件オーナー様との関係構築においても、WEBテクノロジーには落とし込めない「関係性」が大事でした。

実は、CCSシリーズのような保育業務システムでも、長くご利用いただくことで、保育施設の皆様に、本当の価値を提供できるのだと思います。

粘り強く保育園に適した立地を探し、物件オーナー様のご理解をいただいてきた「思い」は、CCSサービスを保育園の皆様にご案内する場合でも、私としては変わらないつもりです。粘り強く、それぞれの保育園の状況に即したサービスの組み合わせを考え、探し抜き、ご提案させていただきたいと思っています。

保育園に適した立地、そしてご理解のある物件オーナー様との一期一会を目指してきました。我が子を託す保育園を確保するための「保活」に並々ならぬ努力をされている保護者様の気持ちは、こういうことなのではないかと勝手に思い込んでいます。

このような保育園開設に邁進してきた私をどうぞお見知りおきいただき、苦労話を聞きたいということだけでも結構ですので、是非お問い合わせください。