保育所開設のプロが見た認可保育所開設

認可保育所の申請手続きは、初めてだと分かりにくいものです。
私も今まで9園の開設に携わってきましたが、開設手続きではICT化が進んでおらず、煩雑さには頭を悩ませてしまいます。
そこで、この記事では認可保育所を開設するときの申請の流れを分かりやすくご紹介します。

もくじ
1.認可保育所の開設申請の流れ
1-1.公募前に訪問かメールで相談
1-2.必要書類を提出する
1-3.審査を受ける
2.ICT化が遅れる認可保育所の申請手続き
3.ICT化が進んでも変わらないもの
4.まとめ

 

1.認可保育所の開設申請の流れ

1-1.公募前に訪問かメールで相談

認可保育園の公募では、募集する地域とそこで募集する園の数が示され、公募しようとする事業者は、事前に役所に訪問又はメール等で相談することとなっています。
その後、自治体によっては自治体職員による現地見分を経て、まず、応募のできるかどうかが決まります。

1-2.必要書類を提出する

また、定員や保育児童の年齢、つまり定員は何人にするか、および近隣の小規模保育所からの3歳児以上の受入れのため、各年齢で人数差が何人以上との指定もあります。
加えて自治体毎に、ほふく室の面積や保育室の面積基準や園庭の広さ等の施設基準が決められ保育士の配置人数や加配の規定もあります。
申請するには、上記のような条件を満足させたうえで、計画地の位置図や建物の図面等に加え、事業者として適正な運営が出来るのかを判別するための様々な書類が必要となります。
その書類の厚さは、A4判Dリングファイルに綴じるとパンパンとなる程で、ページとインデックスを付けたもので、原本1部、副本として多い自治体ですと十数部となり、申請時は書類を段ボールに詰めて台車で窓口に持込むことも少なくありません。

1-3.審査を受ける

その後の事業者へのヒアリングは、色々な部署や立場の方がズラッと並ぶところに事業者の2~3人が応募動機や事業の説明やどういう保育をしていくかをお話ししたのち、参加者の方々の質問に答えるという入社試験のような審査もあります。

 

2.ICT化が遅れる認可保育所の申請手続き

なぜこのようなプロセスを書くかというと、一番ICT化が遅れているのが、認可保育園の開設時の申請手続きだと感じるからです。
保育所開設には、建物などの内装を改装して保育所として利用するため、内装工事費に見合う補助金が出ますし、賃貸借に係る開設前や開設後の賃料の補助金もあるため、当然に審査は慎重に行われるべきとは思いますが、手続きの省力化や事務作業の効率化という点を考慮すると、時代の流れからは、申請時の書類提出はデータ化すべきではと思います。

私立保育園からのICT化は私が配属されてからも、たくさんのお問い合わせを頂いておりますが、最近は様々な地方公共団体や自治体様からの資料請求やご相談が多くなってきています。
私が保育園開園のため、様々な自治体様に訪問してICT化の推進についてお話を伺うと、必要性は感じているものの、予算の関係から具体的な導入は未定とのご意見が多かったです。
民間の保育園のICT化の流れは、今後は確実に公立園にも及んでいくと思います。
その流れは、申請業務や応募者へのヒアリングのリモート可等の手続きにも及んでくれると期待しています。

 

3.ICT化が進んでも変わらないもの

2015年に野村総合研究所は英国の研究者と「10~20年後には日本の労働人口の49%がAIやロボット等で代替可能」との衝撃的な共同研究が発表されました。
時代とともに求められる業務内容や人材の要件が変化するのは当然ですが、逆にAIで業務効率が上がる半面、代替できない仕事が「保育士」の仕事であると思います。
子どもという一個の人格と向き合い、相手のことを第一に考えていく。保護者ともに良好な人間関係を構築し信頼を広げていくという、「人間性」を求められる仕事に対し、真摯に向き合い、周囲に影響を与えられるのは、労働のデジタル化が進んでいく中でも、変わらない価値だと思います。
さて、当社は本年1月1日をもってICT化の遅れる保育業界をさらに牽引すべく決意を新たにし、このたび社名を株式会社 CHaiLD にリニューアル致しました。
社名には子ども(Child)のためにAIを活用する会社という意味が込められており、そのためAIは小文字の「ai」としています。
保育のICT化を通して、「保育」という仕事に付加価値を与え、高い創造性を発揮して頂くために、更にAIをサポートとして活用できるようにすることを通して、目の前の子どもと真正面から向き合うこと、相手の成長を心から願い、専門家の視点で育てていくということに集中できると信じてやみません。

 

4.まとめ

今回は、保育園開設の申請手続きが依然として紙ベースでICT化が遅れている現状を踏まえて、ICT化が進み始めている保育の現場の中で、保育の業務としての不変なものが見えてきたのでないかと感じたことを書かせていただきました。