保育の専門性とは何か

 保育士のキャリアアップ研修などを見ると「保育士の専門性向上のための~」という議題があげられているのをよく見る。「保育の専門性」や「保育士の専門性」というワードは非常によく聞くが、その「専門性」とは何なのだろうか?

 「保育士は名称独占資格で、専門性のある魅力的な仕事」と言われる一方、現場で保育士をしていると一度は「子育てしていないのにすごい」と言われたり、「保育の仕事」と「子育て」を何かと比較されることがあるのではないだろうか。わたし自身4年ほど現場で働いてきた中で、その言葉はよく耳にしていたが、そのたびに腑に落ちない思いを抱いていた。

この最大の問題は、保育士と保護者に求められる技術や知識が未分化な状態にあることではないだろうか。

今回この問題について、弊社 social solutions の取締役 石塚康志が 11/16 のこちらのオピニオンレポート(「保育士の専門性を再考することを通じて、 それを支える「子どもたちを把握する視点」について考える」)で言及しているので、ぜひ紹介したい。

 某有名人が「保育士は誰でもできる」と情報発信して物議を醸したり、保育士不足を補うべく、子育て経験があれば保育ママとして起用するようなケースもよくある。

事実、保育士の養成校が目指す「保育士の専門 性」と保育現場が評価する「保育性の専門性」の間には相当なズレがあり、保育現場が求める「専門性」は全人格的なものである場合が多く、特定 の専門領域についての深い知識と技量という意味での「専門性」とは言えないものを指している傾向があるようだ。

 しかし、わが子の保育園での目まぐるしい成長を目にすればわかる通り(こちらのブログでも言及)、現代の核家族化している家庭ではなかなか経験できない「集団の中での成長」が保育園にはあり、保育園に通わせる醍醐味はここにこそあると感じる。一児の母としても、保育士には保育園という「集団の中」で一人一人に寄り添う保育を提供し、個々の能力を伸ばしてほしいと思う。

オピニオンレポートの石塚の言葉を引用すると、以下のとおりである。

保育士の専門領域には、「知識、技術としては、保護者に求められるものと質的には同じ だが、より高度なレベルが求められる領域」と「子ども集団に対する関わり方、環境構成といった核家族化した現在の家庭の保護者には求められない技術知識の領域」がある

今、保育士として働く中で、この疑問を感じた方はぜひこちらのオピニオンレポートを読んでほしい。