保育園における電子メディアと紙媒体の関係 ~富士ゼロックス柴田研究主幹の研究からの一考察~ 

 

 先日実施された、あい・あい保育園の保護者様へのアンケートでは、CCS NOTE が通勤時間に入力できて便利、園からの連絡事項を休園中にも確認できて助かる、などの意見がある一方、卒園時には印刷して思い出として手元に置いておきたいという意見がとても多かった。保護者のそうした声を聞くことで、改めて実体のある紙のモノとしての価値、その温かみを再認識した。

 

 では、我々にとってもっとも心地よい電子メディアと紙媒体のあり方は何なのか、富士ゼロックス株式会社柴田博人氏の研究を参考に考えてみたい。

 まず電子メディアの利点としては、頻繁に複数人がその情報を共有できることが大きい。その点は非常に便利で効率的である。

 しかし、一般的に言われているペーパーレスによるエコやコスト削減で考えると、PCのディスプレイの電力やプロジェクターへの投影はそれなりに電力がかかるのでどちらとも言えない。CO2の排出量を計算すると、ノートPCとプロジェクターの利用1時間は、25枚の紙の印刷物に等しい。25枚以下の配布物ならば印刷した方がエコである。

 また、PCやタブレットでのタイピング操作性と比較すると、紙に書くという行為は思考力を使う分、我々にとって身体的には少なからず負担であるようだ。しかし、大学の講義中に学生がPCでメモをとる場合と手書きで書き取る場合を比較して、講義後の理解度を調査すると、手書きで書き取っている学生の方が講義後のテストで高得点をとっていることが分かった。人が紙に文字を書くとき、聞いたまま、思いついたままに書いているのではなく、自分の頭で再考察した上で書き起こしていることの現れである。

 よって、人は臨機応変にメモのスタイル、媒体を選ぶ必要があるようだ。

 

 これらを踏まえて、保育園で毎日行われている保護者との連絡について考えてみたい。

 保育士は連絡ノートを通じて、毎日子どもの様子を保護者に伝えている。その日遊んだこと、その子の様子、食事のこと、なおかつ明日の連絡事項や持ち物についても伝えた上で、さらにはお家での様子も聞きたいところである。

 しかしノートの連絡スペースは小さい。そこで保育士は、限られたスペースに必要事項をすべて書き込めるように、話をまとめながら、限られた時間に一人で何十人分も書く。ところが皮肉なことに、保護者はその日にあったこと、その子の様子についてまとめてほしいとは思っておらず、些細なことをもっと詳細に聞きたいと思っている。

 となると、保育中に気づいたことをひとつでも多くメモして、より簡単に保護者に伝えられるように、スマートフォンなどの端末を使って親指タッチで簡単に記録できるようにすることが、保育業務の負担軽減と同時に保護者にとっても有益なことになるということが分かる。

 その上で、最後にその記録をダウンロードして製本することができると、保育士の綴った徒然なる毎日の記録を、紙の温かみ、実在感とともに手元に残すことができてベストだと思われる。

今後の弊社サービスの機能改善に努めていきたいものである。

 

<参考文献>

柴田博仁・大村賢吾 「ペーパーレス時代の紙の価値を知る」産業能率大学出版部 2018